はじめに
ChatGPT研修を社員に受けさせようとコースを見比べたものの、どれを選べばよいか決めきれなかった経験はないでしょうか。
ChatGPT研修は、チャットで質問する使い方で終わらず、AIエージェントに業務の作業を任せて育てるところまで演習できるものを選びます。AIエージェントとは、質問に答えるだけでなく、パソコンのファイルを読み書きし、コマンドや道具を使って作業を最後まで進めるAIです。
育てるとは、使うたびに直した点を、AIが作業の前に毎回読む決まりのファイルや、繰り返し呼び出せる手順書に書き足していくことです。次からは同じ説明をしなくても、自社のやり方で動くようになります。
ChatGPTでは、資料や報告書を仕上げるまで任せるChatGPT Workと、パソコンのフォルダやコマンドを使って作業するCodexで、AIエージェントを育てます。そのための環境づくりやコードを使った処理を、ITとプログラミングが分かる講師に教われるかも確かめます。
選ぶときに見る観点は6つです。本記事では、観点ごとに研修の形を比べ、チャット・Work・Codexの違いと、受講前に会社で決めることを解説します。
ChatGPT研修を選ぶ6つの観点|チャットからWork・Codexへ
ChatGPT研修の差は、チャットの使い方の先にある、WorkやCodexに作業を任せて育てる段まで、受講者が自分のパソコンで進められるかで出ます。次の6つの観点で比べます。
- AIエージェントを作って育てる演習
- 講師にIT・プログラミングの知見がある
- 環境づくりから教わる
- その場で講師に聞ける
- 身近な業務が演習の題材
- 育てる演習の時間
「AIエージェントを作って育てる演習」では、業務の作業をAIエージェントに任せ、直した点を決まりのファイルや手順書に書き足すところまで演習するかを見ます。チャットの使い方だけを学ぶ研修では、会社の契約にWorkやCodexが含まれていても、そこに触れないまま終わります。
「講師にIT・プログラミングの知見がある」かも確かめます。Codexは作業の途中で、表計算やPDFを処理するPythonなどのコードを書いて実行します。繰り返す手順をまとめるスキルには、決まった処理を動かすスクリプトも入れられます。AIが書いたコードが止まったときに原因を読み解き、コードで処理する部分とAIに任せる部分を分けて教えられるのは、プログラミングが分かる講師です。
「環境づくりから教わる」も差が出る観点です。WorkやCodexにパソコンの中で作業させるには、デスクトップアプリを入れ、作業するフォルダを決め、AIが確認なしにしてよい操作の範囲を設定します。GitやPythonなど、AIが作業に使う道具も入れておきます。
ここでのつまずきは、指示の出し方では直りません。作業のたびに許可を求める画面が出て先へ進まない、Pythonを入れたのにAIから見つからない、といった場面は、AIに許した操作の範囲や道具の入れ方など、パソコンの側の設定で起きるからです。
Gitは、AIが書き換えたファイルを前の状態に戻せるようにする道具です。入れておけば、任せる作業を広げても、うまくいかなかったときにやり直せます。こうした設定を、講師と自分のパソコンで一緒に進められるかを見ます。
「その場で講師に聞ける」かも欠かせません。止まる場所は受講者のパソコンごとに違い、同じ手順でも、ある人は許可の画面で、別の人は道具の導入で止まります。講師に画面を見てもらえれば、原因をその場で切り分けられます。
「身近な業務が演習の題材」かで、研修の後もそのまま育て続けられるかが決まります。WorkやCodexに覚えさせるのは自分の業務の手順なので、講師の手本をなぞるだけだと、職場に戻ってから一から組み直すことになります。
「育てる演習の時間」では、作業を任せる、仕上がりを見る、直した点を書き足す、の一巡を何度も回せる長さがあるかを見ます。WorkやCodexの画面の説明で時間を使い切る研修では、育てる所まで届きません。
研修の形で比べる|観点を満たすのは対面の実践型研修
講師の知見を除く5つの観点で研修の形を比べると、次のようになります。
観点 | eラーニング型 | オンライン講座型 | 短時間の集合研修 | 対面の実践型研修(長時間) |
|---|---|---|---|---|
AIエージェントを作って育てる演習 | ○ | ○ | △ | ◎ |
環境づくりから教わる | △ | △ | × | ◎ |
その場で講師に聞ける | × | △ | ○ | ◎ |
身近な業務が演習の題材 | × | △ | △ | ◎ |
育てる演習の時間 | △ | △ | × | ◎ |
eラーニング型は講師に聞けず、オンライン講座型も、講師が受講者のパソコンの前で設定を一緒に直せません。短時間の集合研修は対面で聞けても、環境づくりからAIに任せて直す一巡までを進める時間が足りません。
観点をすべて満たすのは、対面で長い時間をかけ、身近な業務を題材にAIエージェントを育てる実践型の研修です。
講師のITとプログラミングの知見は研修の形では決まらないので、講師の経歴に、システム開発やプログラミングの経験があるかを確かめます。
主なChatGPT研修の形・時間・料金
2026年10月時点で、各社の公式ページに出ている内容です。
会社(研修の名前) | 形 | 時間 | 料金 |
|---|---|---|---|
AVILEN(ChatGPTビジネス研修) | eラーニング。1日または半日のライブ講義のプランもある | 目安2時間(eラーニング) | 1名11,000円(税込)。複数名や期間のプランは問い合わせ |
ユーキャン(ChatGPT 活用セット) | eラーニング(4講座のセット)。1名から申し込める | 動画4講座で計約5時間15分。標準学習期間6か月 | 34,000円(税込) |
インソース(ChatGPTのはじめ方研修) | 公開講座。オンライン、または東京(新宿)・大阪の会場 | 半日(10:00〜13:00か14:00〜17:00) | 26,400円(税込)。会員価格は24,400円 |
トレノケート(ChatGPTで学ぶ生成AIビジネス活用) | 公開講座(オンラインLive)。講義とハンズオン演習 | 1日間(13:00〜17:30) | 33,000円(税込) |
D4cアカデミー(ChatGPTナビ) | 対面講義(オンラインか面着)かeラーニングを選ぶ | 1講座1時間を想定(6講座) | 1講座150,000円(税抜)。対面30名まで、eラーニング50名まで一律 |
和から(ChatGPT法人研修) | オンライン、対面(貴社会場)、ハイブリッド | 2時間から複数日。内容は個別に設計 | 個別見積もり(公式ページに金額の記載なし) |
法人向けのChatGPT研修で学ぶこと|チャット・Work・Codexの違いと受講前の準備
ChatGPT研修では、チャット・Work・Codexの違いと育て方を学びます。
チャット・Work・Codexは、任せる作業と使う画面が違う
質問や相談はチャット、資料のような成果物はWork、プログラムやコマンドを使う作業はCodexと、任せる作業で使い分けます。
比べる点 | チャット | Work | Codex |
|---|---|---|---|
向いている作業 | 質問、調べもの、文章の下書き | 資料や表の作成、ファイルの分析 | プログラムづくり、コマンドの実行 |
使える画面 | ウェブ、スマートフォン、デスクトップアプリ | ウェブ、スマートフォン、デスクトップアプリ。手元のファイルはデスクトップアプリで | デスクトップアプリ、ターミナル、開発用の編集ソフト、ウェブ、スマートフォン |
プラン | すべてのプラン | ウェブとスマートフォンは対象の有料プラン。デスクトップアプリは無料を含むすべてのプラン | 無料を含むすべてのプラン。ウェブは対象の有料プラン |
Codexは、作業の前に毎回、AGENTS.mdという決まりのファイルを読みます。AIの思い込みを直したら、その点をAGENTS.mdに書き足させると、次の作業から直しが引き継がれます。
繰り返す手順は、WorkでもCodexでもスキルという手順書にまとめられ、決まった時刻に動かす設定と組み合わせると、毎週の作業を任せられます。

4つの生成AIツールは、使う画面と契約で分かれる
2026年10月時点の違いは、次のとおりです。
比べる点 | ChatGPT | Claude | Gemini | Microsoft 365 Copilot |
|---|---|---|---|---|
主に使う画面 | 専用のアプリと、Word・Excel・PowerPointのアドイン | 専用のアプリと、有料のプランではExcel・PowerPoint・Wordのアドイン | 専用のアプリと、GmailなどGoogle Workspaceのアプリの中 | 専用のアプリと、OutlookなどMicrosoft 365のアプリの中 |
法人向けの契約 | ChatGPT Business・Enterprise | ClaudeのTeam・Enterprise | Google Workspaceの契約に含まれる。アプリの中で使える範囲は契約の種類で違う | 法人向けのMicrosoft 365で無償のCopilot Chatを使える。社内のデータを踏まえた回答は有償の追加ライセンス |
繰り返し使う機能 | 法人向けの契約で使えるスキル | スキル、プロジェクト | 用途に合わせた指示を保存しておくGem | エージェント |
カスタムGPTは、スキルやアプリをまとめたプラグインへの移行が進んでいます。対象のEnterpriseでは2026年12月11日に提供を終える予定で、ほかのプランも同じ日程に沿う予定です。カスタムGPTの作り方を教える研修なら、移行先まで扱うかを確かめます。
受講前に会社で決めること
研修の日程を決める前に、情報システムの担当者と次の4点を決めておきます。
決めること | 中身 |
|---|---|
契約とアカウント | 会社の契約では、入力した内容が既定で学習に使われない。個人のアカウントは設定でオフにしない限り使われることがあるので、演習に使うアカウントを決める |
WorkとCodexを使えるか | 契約のプランと、管理者の設定で決まる |
パソコンに入れるもの | デスクトップアプリと、GitやPythonなど、AIが作業に使う道具。導入に申請が要るなら、研修の前に許可を取る |
AIに渡してよい情報 | 演習で使ってよい社内のデータと、使わないデータの線を決める |
既定では、パソコンの中で動くWorkやCodexは、作業するフォルダの中なら確認なしに進め、その外に及ぶ操作の前に止まって許可を求めます。確認を省く設定ではどのファイルでも許可なしに書き換えられるため、どこまで任せるかを会社で決めておきます。

よくある質問|Microsoft 365・Claude Code・助成金
Microsoft 365を使っている会社でも、ChatGPTの研修を選んでよいですか?
選べます。Microsoft 365の法人向けの契約では無償のCopilot Chatを使え、ChatGPTにもWordなどの中で使うアドインがあります。ChatGPTとCopilotで主に違うのは、使う画面、法人向けの契約の形、繰り返し使う機能です。
社員に配るツールをまだ決めていないなら、生成AIツールを比べながら学べる研修を選ぶと、研修の中で違いを確かめられます。Copilotを配る場合の研修の選び方は、「Copilot研修の内容と選び方」で解説しています。
ChatGPTとClaude Code、どちらで学べばよいですか?
会社で契約しているほうで学びます。AIエージェントに作業を任せ、直した点を決まりのファイルや手順書に書き足して育てる考え方と手順は、ChatGPTでもClaude Codeでも同じだからです。
ChatGPTを全社で契約している会社がClaude Codeで学ぶと、研修の後に、決まりのファイルや手順書の置き場所と許可の設定を、職場で使うツールに合わせ直すことになります。会社で契約しているツールで学べば、研修で身につけた育て方を、職場でそのまま続けられます。
ChatGPT研修に、助成金は使えますか?
業務に直接使う形で学ぶ研修なら、人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースの対象になりえます。どの業務にも共通するプロンプトの作り方だけを学ぶ研修は、2026年8月3日以降に出す計画届から対象外になりました。
対象になるかは、研修が10時間以上あることや、受講者が雇用保険に入っている社員で、研修時間の8割以上に出席することなどで決まります。代表取締役は対象外です。
計画届は研修を始める1か月前までに出し、支給は研修後の審査で決まります。この制度が使えるのは、2027年3月31日までです。
観点をすべて満たす研修|スマート生成AI研修
ここまでの6つの観点をすべて満たすように組んだのが、スマートエイトの法人向け生成AI研修「スマート生成AI研修」の4つのコースです。
観点 | スマート生成AI研修 |
|---|---|
AIエージェントを作って育てる演習 | ◎ 4コースとも、AIエージェントに業務の作業を任せる演習が入る。ChatGPTのWorkやCodexでも、Claude Codeでも行える |
講師にIT・プログラミングの知見がある | ◎ 元リクルートGM・PM歴10年以上で、AIの開発も手がける会社の代表が直接指導。AIが書いたコードやスキルの中身まで、その場で読み解いて教える |
環境づくりから教わる | ◎ Gitの導入など、作業する環境の準備から一緒に進める |
その場で講師に聞ける | ◎ 対面中心で、受講者の画面を見ながらその場で答える。Zoomの同時双方向にも対応 |
身近な業務が演習の題材 | ◎ 受講者の身近な業務を演習の題材にする |
育てる演習の時間 | ◎ 12・20・30時間 |
4コースとも1人40万円・税抜です。人材開発支援助成金の対象になれば、中小企業は研修費の最大75%が助成され、上限は1人1訓練あたり30万円です。対面の研修は全国どこでも貴社の会議室で行い、講師の交通費・宿泊費は当社が負担します。
DLPO様では研修の後、自社のSalesforceのデータをClaude Codeにつなぎ、顧客の状態を点数で判定する作業を自社の人員で自動化しました。
CBC様では、2回の研修の間の実践期間に、受講者が月次決算のレポートを社内向けの形式に自動で変えるツールを作り、毎月の業務に組み込みました。
さいごに
ChatGPT研修は、チャットの使い方で終わらず、WorkやCodexでAIエージェントを育てるところまで演習できるかで選びます。6つの観点のうち、とくに差が出るのは「AIエージェントを作って育てる演習」と「講師にIT・プログラミングの知見がある」の2つです。
研修を比べる前に、会社の契約でWorkやCodexを使えるか、社員のパソコンにアプリや道具を入れてよいかを、情報システムの担当者と確かめておきます。そうしておくと、研修の初日から育てる演習に時間を使えます。4つのコースのカリキュラムは、スマート生成AI研修のページで確かめられます。
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