株式会社スマートエイトは、スクールを運営する教育事業会社Qの3名に、ChatGPT・Gemini・Claude・Gemini Notebook(旧NotebookLM)とClaude Codeを使う生成AI研修を、3日間・計12時間のオンラインで提供しました。受講者はスクールの運営・事務・宣伝・教務補助の担当です。研修の前は、AIを検索の補助やChatGPTへの質問に使う程度でした。演習の題材は、受講者自身の業務です。前半は複数のAIを使い比べたうえで自分の業務を棚卸しし、後半で、その業務をClaude Codeのスキル(AIに渡す業務の手順書)にしました。最終日には、セミナーの申込メールから名簿・領収書・座席表を一度に作るスキルや、資料請求への返信の下書きから申込者情報の取り込みまでをつなげたスキルが動いています。その日のアンケートには、「事務作業(メール返信、一覧表作成など)は今回できました」「メール返信の精度を上げつつ、データの抽出と適切な振り分けができればとても便利」と、自分の業務でできたことと次にやりたいことが書かれていました。満足度は3日間の平均で4.89/5です。

基本情報

  • 業種:教育事業会社(スクールの運営)
  • 担当者:取締役
  • 受講者:3名。スクールの運営・事務、スクールの運営・宣伝、講座の運営・教務補助
  • 研修期間:2026年8月、3日間・計12時間
  • 研修の形式:オンライン(Zoom)のハンズオン
  • 提供サービス:生成AI研修(ChatGPT・Gemini・Claude・Gemini Notebook・Claude Code)
  • 受講者が作ったスキル:セミナーの申込者名簿・領収書・座席表の作成、セミナーに関するメールへの返信案の作成、資料請求への返信の下書き、申込者情報の取り出しと顧客データベースへの取り込み、講座の申込への返信、求人情報メールの本文の作成

事前にご相談頂いた課題

課題①:申込や資料請求のメールに返信し、内容を顧客データベースへ写す作業が手作業だった

講座やセミナーの申込、学校案内の資料請求は、メールで届きます。資料請求は毎月まとまった件数があり、担当者は返信の文面を作ったうえで、申込内容を顧客データベース(FileMaker)に貼り付け、氏名・読み仮名・住所などの必要な項目だけを取り出して、案内書を送る住所のラベルを印字していました。届いた内容に文字化けがないか、住所が正しいか、会社宛てなら会社名が抜けていないかも、人の目で確かめていました。

課題②:名簿・領収書・求人情報のメールなど、件数の多い定型の事務が続いていた

セミナーの申込者名簿づくり、入金があった受講生への領収書の作成と送付、就職支援の窓口に登録している人へ毎週金曜に送る求人情報のメールなど、同じ形の事務が毎月くり返し発生します。求人情報のメールは、1回20分ほどかけて送っていました。受講者の1人は、自分の仕事を「作業自体は単純なのですがそれが大量」と表しています。

課題③:受講者はAIをほとんど使っておらず、業務と離れた内容では身につかないおそれがあった

受講者は、AIを検索の補助に使うか、ChatGPTに時々質問する程度でした。研修を企画する段階で、窓口の取締役からは、受講者が日々の業務で使う場面が思い浮かばない内容では、12時間学んでも響かないというご意見をいただいていました。

課題要因(なぜ従来のアプローチでは解決しなかったか)

  • メールを読み、必要な項目を拾い、別の表やデータベースへ写す手順が担当者の頭の中にあり、AIに渡せる形になっていなかったため
  • AIを検索の補助にしか使っておらず、パソコンの中のメールやファイルをAIに読ませて作業させる方法を知らなかったため
  • ツールの使い方を順に教わるだけでは、自分の業務の手順に置き換えるところまで進めないため

選んだアプローチ

ChatGPT・Gemini・Claude・Gemini NotebookとClaude Codeを使う生成AI研修を、3日間・計12時間のオンラインで提供しました。研修の中身は、受講者の担当業務を題材に組みました。生成AIの基礎とツールの使い分けから入り、プロンプトの技術と、パソコンの中のメールやファイルを読み書きして作業を進めるClaude Codeの使い方を、演習で身につけています。後半は、各自が棚卸しした自分の業務を題材に、自分のスキルを作って動かすところまで進めました。

スキルは、作って終わりにせず、出力を見て直すところまでを練習しました。作ったスキルをそのままAIに貼って改善点を出させる、出力の形式や例外の扱いを書き足す、手順を細かく分ける、試しのデータで動かして確かめる、といった磨き方です。

なぜこのアプローチか

  • 3名の業務は、メールで届いた情報を読み、名簿や領収書、データベースに写して返す流れが中心で、パソコンに保存されたメールを読み込めるClaude Codeなら、その流れをそのまま手順にできるため
  • 前半で業務を棚卸しし、後半でその業務のスキルを作る順にすれば、研修の翌日から同じスキルを自分の業務で使えるため
  • 先にChatGPT・Gemini・Claude・Gemini Notebookを使い比べておくと、調べ物や資料づくりのように、スキルにしない場面でも道具を選べるため

研修の全体設計

研修のゴールは、最終日までに受講者それぞれが自分の業務のスキルを作り、実際に動かして発表することです。講義と全員共通の演習から始め、各自のワークの比重を上げていく形で組みました。

テーマ

内容

生成AIの基礎とツールの使い分け

生成AIの仕組み、ChatGPT・Gemini・Claudeに同じ指示を出して違いを比べる演習、AIエージェント(Manus)の体験、口コミを集めてChatGPTで分析するリサーチ、YouTubeの動画をGemini Notebookで書き起こして要約・スライド・音声解説にする演習、AIに入れてよい情報の線引き、プロンプトの技術(役割・文脈・出力形式・制約、例を示す、AIに逆に質問させる、計画してから書かせる、別のチャットで見直させる)、Claudeで表を作る演習、業務の棚卸し

Claude Codeとスキルづくり

Claude Codeの準備(作業フォルダとルールのファイル)、講師が用意したファクトチェックのスキルと、公開されている人気のスキル(納得するまで質問を返す壁打ち、キャッチコピーの見直し)の体験、パソコンに保存されたメールの読み込み、棚卸しした業務からスキルを作るワーク、複数のAIに別々の観点で評価させる使い方(サブエージェント)、ブラウザの操作

定期実行とスキルの仕上げ

決まった時刻に自動で動かす機能(ルーティン。毎朝のニュース収集、メールの仕分けと返信の下書き)、スキルの決まりを確実に守らせる機能(Hooks)、スキルの磨き方、各自のワーク、中間発表と最終発表

結果

最終日には、3名全員が自分の業務を題材にスキルを作り、手元のメールやデータで動かして発表しました。アンケートは各日の終わりに、満足度・理解度・今後の業務で活用できそうかの3つを5段階で聞き、3名が毎回回答しています。点数は3日間・延べ9回答の平均です。

定量成果(研修アンケート/3名・延べ9回答の平均)

  • 全体満足度:4.89/5
  • 理解度:4.33/5
  • 今後の業務で活用できそう:4.44/5

受講者が作ったスキル

2日目と3日目に受講者が作ったスキルは、次のとおりです。

作ったスキル

AIに渡す物

出てくる物

セミナーの申込者名簿・領収書・座席表の作成

パソコンに保存されたメール

申込のメールだけを選んで作った50音順の名簿(Excel)、一人ひとりの領収書、座席表

セミナーに関するメールへの返信案の作成

メールのフォルダと、ホームページのセミナー情報

返信の文面の案(テキスト)

資料請求への返信の下書き

資料請求のメール

文字化け・住所・会社名の抜けを確かめたうえでの返信の下書き。メールソフトに保存する

申込者情報の取り出し

申込フォームから届いたメール

姓名・読み仮名・住所・メールアドレスを取り出したデータ。顧客データベースに取り込むと、そのまま反映された

講座の申込への返信

講座の申込メールのフォルダと、返信のテンプレート

まだ返信していない申込と、内容に合うテンプレートを選んで作った返信の文面

求人情報メールの本文の作成

求人情報

毎週金曜に、就職支援の窓口の登録者へ送るメールの本文

事例① セミナーの申込者名簿・領収書・座席表を一度に作成(スクールの運営・宣伝)

  • Before:メールで届くセミナーの申込を見ながら、申込者の名簿や一人ひとりの領収書、当日の座席表を手で作っていた
  • After:メールの中から申込のメールだけをAIに選ばせ、必要な情報を取り出してExcelの名簿にまとめるスキルを作成。そこへ一人ひとりの領収書と座席表を足し、3つを同時に作れるようにした

2日目のアンケートに「セミナー等の宣伝、講義当日の運営(案内、名簿作成など)に活用できればと考えております」と書いた受講者が、3日目に形にしたスキルです。最初の出力では、名簿がメールの届いた順に並んでいました。受講者はチャットで「50音順を標準の手順にしてください」と指示を足し、スキルそのものを直しています。残りの時間では、納得するまで質問を返す壁打ちのスキル(grill-me)に、名簿を使って申込者の管理に役立つ手段を提案させ、入金状況の見える化、当日の受付で使うチェックシート、作ったスキルの定期実行への切り替えといった次の打ち手を引き出しました。

発表した受講者は、2日目に作ったメールの返信案のスキルと組み合わせると「かなり業務時間を短縮できるなっていうイメージがわきました」と話しています。

事例② 資料請求への返信から、申込者情報の取り込みまでをつなげる(講座の運営・教務補助)

  • Before:資料請求のメールに返信を書き、申込内容を顧客データベースに貼り付けて必要な項目だけを取り出し、住所のラベルを印字していた。文字化け・住所の誤り・会社名の抜けも目で確かめていた
  • After:2日目に、返信の前に文字化けや住所、会社名の抜けを確かめる手順を組み込んだ返信のスキルを作成。3日目には、返信の下書きをメールソフト(Thunderbird)に保存するところまでつなげ、申込フォームの内容から姓名・読み仮名・住所・メールアドレスを取り出して顧客データベースに取り込むと、そのまま反映された

発表した受講者は、メールの返信からデータの整理までを一気に進められそうだと手応えを話しました。備考欄に質問が書かれている申込には、過去のメールから回答の案を作らせる改良にも進んでいます。

事例③ 毎週の求人情報メールの本文づくり(スクールの運営・事務)

  • Before:毎週金曜、就職支援の窓口に登録している人へ求人情報をメールで送っていた。1回20分ほどかかる作業で、本文の日付などは毎回書き換える
  • After:メールの本文を作るスキルを作成。日付など回ごとに変わる部分をAIにどう指示するかを詰めながら作り上げた

この受講者は、本文のスキルを作り終えたあと、届いた書類を読み取って必要な項目を別のExcelに入れ、ファイル名を付け替えて別のフォルダに収めるスキルづくりに進みました。2日目には、講座の申込のうちまだ返信していないメールを拾い、内容に合うテンプレートを選んで返信を作るスキルも組んでいます。最終日のアンケートには「メール返信や書類作成、データの管理などがメインなのですが、その大部分が自動化されるとありがたいと思いました」と書いています。

受講者が次にAIに任せたいと挙げた業務

アンケートと最終日の発表では、研修で使い方を知ったうえで、次にAIに任せたい業務を挙げてもらいました。

  • 成績の集計と結果の通知、それに付く書類づくり
  • 問い合わせへの回答を、過去のメールから学ばせて返信の下書きに足すことと、届いたメールからのデータの抽出と振り分け
  • スケジュールの作成と、謝礼の計算と管理
  • 事務作業より一歩踏み込んだ、スクールの広報活動でのAIの使い方

研修を通じた変化

1日目のアンケートに「研修内でお話ししたようなメール対応、Excelを使った顧客管理は実践できそうです」と書いた受講者は、2日目までの数日のうちに、1日目に学んだ指示の出し方を仕事で使い始めていました。研修を終えた翌日には、3名の連名で「今回の研修で弊社の業務内容でも想像以上にAIを活用できることが分かりました」というメールが届いています。

受講者の声

「AI自体よく分からないし、自分にはあまり関係のないものと思っていましたが、今回研修していただいてこんなにも便利なものだと気づかされました。業務上、複雑なことは必要ないかと思いますが、単純な事務処理が大量にあるので、それを自動化できると業務時間を削減できて大変助かるなと思いました。」 ― 受講者(スクールの運営・事務)

「実際に日常的に活用できそうなスキルを作ることができました。あわせて「/grill-me」等を組み合わせるとより精度の高いスキルが作成できることが分かりました。」 ― 受講者(スクールの運営・宣伝)

「基本的なところは資料でも分かりやすくまとめていただきつつ、実際に手を動かして作業したうえで、さらにどのようにAIを活用しておられるかという具体例を色々とお聞きでき、大変勉強になりました。」 ― 受講者(講座の運営・教務補助)

提供内容

  • 生成AI研修。3日間・計12時間・オンライン(Zoom)
  • 研修用のClaude Codeの作業フォルダ(ファクトチェック・壁打ちなどのスキル入り)と、スキル作成のテンプレート
  • 各日の投影資料

スマートエイトの研修について

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