はじめに

中小企業向けのAI研修は、社内にAIを教えられる人がいなくても、研修の時間の中で業務に使えるところまで進められるかで選びます。助成金を使うなら、講師と進める時間が10時間以上要ることも、候補を分ける線になります。

選ぶときに見る観点は5つです。1章で観点を、2章で研修の形の比較と10社の一覧を、3章で各社の特徴を、4章で助成金や地方での受け方を扱います。

中小企業がAI研修を選ぶ5つの観点|社内に教える人がいない会社の物差し

中小企業がAI研修の会社を比べるときに見る観点は、次の5つです。

  • その場で講師に聞ける
  • 演習の時間
  • 身近な業務が演習の題材
  • 講師に直接教わる
  • 対面で受けられる

中小企業でAIを業務に入れている会社は、まだ少数です。中小企業を対象にした調査では、AIの導入率は20.4%で、導入を進めるために要る公的な支援として67.7%が「従業員向けの教育・研修」を挙げています。研修の後に聞ける相手が社内にいない会社が多いので、研修の場で解決できるかが5つの観点の共通の軸になります。

「その場で講師に聞ける」研修なら、演習で手が止まっても、次の内容へ進む前に解決できます。録画の講義では、止まった操作を聞けないまま残りの時間を過ごすことになります。

「演習の時間」は、業務で使う手順を組み立て、試して直すところまで研修の中で進められるかを決めます。助成金を使うにも、10時間以上の研修が要ります。

「身近な業務が演習の題材」になっていれば、研修の翌日に自分の業務へ置き換える手間が減ります。一般の例だけで学ぶと、置き換える作業が受講者の側に残ります。

「講師に直接教わる」研修では、自分の仕事でAIを使ってきた講師が、演習中の質問に業務の目線で答えます。誰が教えるかは、各社の講師の紹介で確かめます。

「対面で受けられる」研修では、講師が受講者の画面を横で見て、操作の誤りをその場で直せます。パソコンの操作に不慣れな社員が多い会社ほど、対面の差が出ます。

中小企業向けAI研修のおすすめ10社|研修の形の比較と各社の一覧

研修の形ごとに、5つの観点を満たすのはどれですか?

AI研修は、録画で学ぶeラーニング、講師がオンラインで教える講座、半日や1日の集合研修、講師と長い時間をかけて手を動かす対面の研修に分かれます。5つの観点で比べると、次のとおりです。

観点

eラーニング型

オンライン講座型

短時間の集合研修

対面の実践型研修(長時間)

その場で講師に聞ける

×

△

○

◎

演習の時間

△

△

×

◎

身近な業務が演習の題材

×

△

△

◎

講師に直接教わる

-

△

△

◎

対面で受けられる

-

×

○

◎

5つの観点をそろって満たすのは、講師と長い時間をかけて身近な業務で手を動かす、対面の実践型研修です。

中小企業が候補にしたい研修会社は、どこですか?

講師と10時間以上を進めるコースを持ち、助成金の時間の要件に届くのは、表の上の4社です。下の6社には、1日の研修や合宿、eラーニングと組み合わせたコース、半日の講座が並びます。

値は2026年11月5日時点で各社の公式ページに出ているもので、料金は税抜にそろえています。

会社(研修の名前)

研修の形

対面

主なコースの時間

料金(税抜)

スマートエイト(スマート生成AI研修)

対面・Zoom(同時双方向)

あり(全国)

12〜30時間

1人40万円

日本クラウドコンピューティング(中小企業AI研修教育研究所)

講師派遣・公開講座・eラーニング

あり(講師派遣。出張費は別)

10・20・30時間

派遣は10時間100万円から、公開講座は1人15万円から

D-ing(.Pro AI BUSINESS)

オンラインのライブ配信

なし(オンラインのみ)

12時間

1人30万円(3名から)

AlgoX(AI研修・人材育成サービス)

オンライン・対面

あり

10・20時間

問い合わせ

DMMビジネスAI(生成AI研修)

1日研修・合宿・対面研修

あり(会社に伺う)

1日(6時間)、2泊3日の合宿

問い合わせ

SHIFT AI(SHIFT AIリスキリングコース)

eラーニング・オンラインのライブ研修

記載なし

16時間以上(うちライブ6時間)

1人30万円

インソース(生成AI研修)

講師派遣・公開講座・動画教材

あり(公開講座の来場型)

半日〜2日

公開講座は1人2.4万円、派遣は問い合わせ

トレノケート(生成AI研修)

オンラインのライブ・一社向け

あり(一社向けで場所は相談)

1日

公開コースは1人3万円、一社向けは問い合わせ

AVILEN(生成AI研修)

eラーニング・集合(対面/Web)

あり(集合形式)

集合は約4〜7時間

eラーニングは1人6万円から、集合は問い合わせ

オープンアップITエンジニア(SAMURAI ENGINEER Biz)

マンツーマン指導

あり

カリキュラムに応じて決める

問い合わせ

9社の特徴|中小企業から見た各社の強み

日本クラウドコンピューティング|従業員50名以下の会社向けの10〜30時間

日本クラウドコンピューティングの中小企業AI研修教育研究所は、従業員50名以下の中小企業を対象にした研修です。10・20・30時間の助成金対応パッケージを、3時間×3回と1時間のフォローのように分けて行います。

D-ing|12時間を2時間ずつに分けて受けるオンライン研修

D-ingの.Pro AI BUSINESSは、中小企業向けをうたうオンラインの研修です。12時間を2時間×6回のように分けて受けられ、3名以上から申し込めます。

AlgoX|営業・企画・バックオフィスに絞った各10時間のコース

AlgoXは、営業・マーケティング・企画・管理やバックオフィスの業務に絞った各10時間のコースと、20時間のコースを持っています。研修はオンラインか対面で行います。

DMMビジネスAI|地方・中小企業の相談窓口として、会社に伺う研修

DMMビジネスAIは「地方・中小企業のAIの相談窓口」を掲げ、1日の研修、2泊3日の合宿、会社に伺う対面研修から選べます。国と東京都の助成金を使える場合があると案内しています。

SHIFT AI|eラーニングとライブ研修を組み合わせた16時間以上のコース

SHIFT AIは、10時間のeラーニングと6時間のオンラインのライブ研修を組み合わせたコースです。人材開発支援助成金を使える研修として案内しています。

インソース|半日の公開講座から2日間の講師派遣まで

インソースは、半日の*公開講座から講師派遣の2日間の研修までを持ち、公開講座には会場へ行って受ける来場型もあります。中小企業向けのサービスの一覧も案内しています。

トレノケート|場所や人数を相談して決める一社向け研修

トレノケートは、オンラインのライブで受ける1日の公開コースと、日程・場所・人数を相談して決める一社向けの研修を持っています。

AVILEN|eラーニングと半日・1日の集合研修

AVILENは、eラーニングと、対面・Web・ハイブリッドで行う半日か1日の集合研修を持っています。

SAMURAI ENGINEER Biz|現役エンジニアのマンツーマン指導

SAMURAI ENGINEER Bizは、株式会社オープンアップITエンジニアが運営し、現役エンジニアがマンツーマンで教える研修を持っています。カリキュラムはオーダーメイドで組み、レッスンは対面でも行えます。

*公開講座:研修会社が日程と内容を決めて開き、複数の会社の社員が申し込んで一緒に受ける講座です。

よくある質問|助成金・地方での対面・研修の時間

助成金を使うと、研修費はいくら助成されますか?

人材開発支援助成金の*事業展開等リスキリング支援コースの対象になれば、中小企業は研修費の75%、大企業は60%が助成されます。上限は、講師と進める10時間以上100時間未満の研修で、中小企業は1人1訓練あたり30万円です。

eラーニングを含む研修は、上限が中小企業で1人15万円に下がります。講師と進める研修を勤務時間内に受けると、対面でも同時双方向のオンラインでも、1人1時間あたり1,000円の賃金への助成が出ます。

主な条件は、受講者ごとに研修時間の8割以上に出席すること、研修開始の6か月前から1か月前までに計画を労働局へ届け出ること、受講者が雇用保険に入っている社員であることです。代表取締役は対象外です。

人材開発支援助成金を使うAI研修の流れを、計画を届け出る、研修を受ける、研修費の助成の3段で示した図。計画は研修開始の6か月前から1か月前までに労働局へ届け出て、研修は講師と10時間以上・受講者ごとに8割以上出席し、中小企業は研修費の75%・1人30万円まで助成される。今の制度が使えるのは2027年3月31日まで

2026年8月3日以降に出す計画では、どの業務にも共通するプロンプトの作り方だけを学ぶ研修は対象外になりました。今の制度が使えるのは、2027年3月31日までです。

中小企業に当たるかは、資本金か常時雇用する社員の数のどちらかで決まります。例えばサービス業なら資本金5,000万円以下か100人以下、製造業その他なら3億円以下か300人以下です。条件と申請の流れは、人材開発支援助成金が使えるAI研修の条件で詳しく解説しています。

地方の会社でも、対面で受けられますか?

講師に会社まで来てもらえば、地方の会社でも自社の会議室で対面で受けられます。2章の一覧では、日本クラウドコンピューティングとインソースの講師派遣、DMMビジネスAI、トレノケートの一社向け研修が、会社に伺うか場所を相談して決める形です。

講師の交通費は、料金と別に払う会社があります。日本クラウドコンピューティングは、出張料金を東京23区で1万円、沖縄・離島で16万円と地域ごとに決めています。見積もりを取るときは、出張費が料金に入っているかを先に確かめます。

研修は何時間あればいいですか?業務と両立できますか?

助成金を使うなら、職務に関係しない時間を除いて10時間以上が要ります。操作を覚えるだけなら短い研修でも足りますが、自分の業務を題材に手順を組み立て、試して直すところまで進めるなら、講師と手を動かす時間をまとまって取ります。

10時間以上の研修も、数回に分ければ通常の業務と並べて進められます。3章で紹介した会社には、12時間を2時間×6回、10時間を3時間×3回と1時間のフォローに分ける例があります。助成金を使うなら、計画に日ごとの内容と時間を書くので、届け出の前に日程を固めます。

*事業展開等リスキリング支援コース:人材開発支援助成金のコースの1つです。業務のデジタル化などに要る内容を、受講者の職務に直接使う形で学ぶ研修が対象になります。

観点をすべて満たす研修|スマート生成AI研修

ここまでの5つの観点をすべて満たすように組んだのが、スマートエイトの法人向け生成AI研修「スマート生成AI研修」です。

観点

スマート生成AI研修

その場で講師に聞ける

◎ 対面中心で、つまずいたその場で質問できる。Zoomの同時双方向にも対応

演習の時間

◎ 最長30時間(12・20・30時間から選択)。動画の自習はなく、すべて講師と一緒に進める

身近な業務が演習の題材

◎ 受講者の身近な業務を演習の題材にする

講師に直接教わる

◎ 元リクルートGM・現役経営者の代表が直接指導

対面で受けられる

◎ 全国どこでも貴社の会議室で対面。講師の交通費・宿泊費は当社負担

4コースとも1人40万円・税抜で、人材開発支援助成金の対象になれば、中小企業は研修費の最大75%、1人1訓練あたり最大30万円が助成されます。

開催は3名からで、20時間のコースは5名から、30時間のコースは10名から選べます。講師は、リクルート社内で生成AI研修の講師を務めた代表の小坂井聖也です。

不動産仲介会社Aでは、6名が2日間の研修を受け、1物件あたり約6時間かかっていた作業が約1.5時間になりました。Web広告代理店のCCG SEE様では、営業と広告運用の10名が対面の全5回を受講し、既存の自動化ツールが対応していない媒体の広告レポート作成が月100時間から月3時間になりました。

さいごに

中小企業向けのAI研修は、社内に聞ける人がいなくても、研修の中で業務に使えるところまで進められるかで選びます。まず対面で受けられるか、講師と10時間以上進めるかで2章の一覧から候補を3社に絞り、残りの観点は見積もりと講師の紹介で確かめます。

見積もりでは、講師と手を動かす時間と、出張費の扱いを聞いておきます。助成金を使うなら、研修開始の1か月前までに計画を届け出るので、日程はそこから逆算して決めます。

対面で長い時間をかけ、身近な業務を題材に講師と手を動かす研修を候補に入れるなら、スマート生成AI研修のページで4コースのカリキュラムを確かめられます。

※生成AI研修資料/導入事例も無料ダウンロードいただけます。