はじめに

AIシステムの受託開発を頼める会社は、エクサウィザーズやPKSHA Technology、Laboro.AIのようなAIの開発を専門にする会社と、デジタルボーイやSalesDockのように中小企業向けに料金を公開している会社に分かれます。公開されている料金の例では、1つの業務の試作が50万円から・税別で頼めます。

頼む先を選ぶときに見る観点は、試作で確かめてから本開発に進めるか、費用を抑える作り方か、上流の業務の棚卸しから入るか、納品後の保守と改善の4つです。2章で9社を同じ列で並べ、3章で相見積もりのそろえ方を説明します。

AI受託開発の会社を選ぶ4つの観点|試作・作り方・上流・納品後

AI受託開発の会社は、次の4つの観点で比べて選びます。

  • 試作で確かめてから本開発に進めるか
  • 費用を抑える作り方か
  • 上流の業務の棚卸しから入るか
  • 納品後の保守と改善
AI受託開発の会社を選ぶ4つの観点の図。試作で確かめて本開発へ、費用を抑える作り方、業務の棚卸しから入る、納品後の保守と改善の4つで、前の2つは払う額が成果につながるか、後の2つは作った仕組みが使われ続けるかを決める

試作と作り方で、払う額が成果につながるかが決まる

AIの答えがどこまで合うかは、実際のデータで動かすまで分かりません。そのため、AI受託開発の会社の多くは、小さく作って効果を確かめる*PoCを本開発の前に置いています。2章の一覧でも、Laboro.AIはPoCに2か月から、おまかせシステムズは1部署・1業務の試作に6〜10週間を目安にしています。

試作の結果を見てから本開発の額を決められれば、合わなかったときに払う額は試作の分で済みます。作り方も見ておくと、ABEJAのように自社の基盤を土台にする会社と、一から作る会社では、同じ仕組みでも金額と期間が変わります。

上流と納品後で、作った仕組みが使われ続けるかが決まる

どの業務をAIに任せるかが決まらないまま作ると、作ったのに使われない仕組みになりやすくなります。AVILENがヒアリングと課題の整理から、PKSHA Technologyが課題の定義から入るように、作る前の段階を引き受ける会社かを見ます。

納品後は、社内の決まりが変わったり、使いながら直したい所が出たりします。Laboro.AIは実装後まで伴走し、おまかせシステムズは導入後の運用支援を月額で出しています。作った会社がそのまま直せるかで、使い続けられるかが変わります。

*PoC:本格的に作る前に、小さく作って効果を確かめる試作のことです。

AI受託開発の会社9社の比較|得意分野・頼み方・公開されている料金

AI受託開発を頼める会社として、2-2で9社を得意分野・頼み方・料金の例で並べます。その前に、一括と段階のどちらの形で頼むかを決めると、比べる相手が絞れます。

一括で頼む形と段階に分けて頼む形の図。一括は全体を決める、1つの契約で開発、納品の順。段階に分ける形は業務の棚卸し、試作で確かめる、本開発、保守と改善の順で、試作の結果を見て本開発に進むかを決めるため、合わなければ試作で止められる

一括で頼むか、段階に分けて頼むか

一括の形は、作るもの全体を決めてから1つの契約で頼みます。段階に分けた形は、業務の棚卸しと試作を先に頼み、結果を見てから本開発と保守を頼みます。4つの観点で並べると次のとおりです。

観点

一括の受託開発

段階に分けた受託開発

試作で確かめてから本開発に進めるか

×

◎

費用を抑える作り方か

会社による

会社による

上流の業務の棚卸しから入るか

△

◎

納品後の保守と改善

会社による

会社による

段階に分けると、試作と上流の観点は頼み方の形で満たせます。費用と納品後は形では決まらないため、観点をすべて満たすのは、段階に分けて頼めて、費用を抑える作り方をし、納品後も直し続ける会社です。

AI受託開発を頼める9社の一覧

2026年11月時点で、各社の公式ページに出ている得意分野・頼み方・料金です。

会社

得意分野

頼み方

公開されている料金の例

スマートエイト〈AIコンサルティング・開発〉

人手のかかる業務を任せるAIシステム

業務の棚卸しから入り、まず試作で効果を確かめてから本開発に進むかを決める

個別に見積もり。AIコンサルティングは月額制

エクサウィザーズ〈AI駆動型システム開発〉

業務に合わせたシステムを、AIを使った開発の進め方で作る

共に作る開発と、内製化の支援を選べる。どの段階からも相談できる

-

PKSHA Technology〈PKSHA AI Solution〉

企業ごとの課題に合わせたAIの開発。不正検知や大規模言語モデルの調整など

課題の定義から、システムの設計、業務への組み込みまで一貫して支援

-

Laboro.AI〈カスタムAI開発〉

製造・建設などの最適化と、AIエージェントのオーダーメイド開発

企画から実装後まで伴走。PoCは2か月から、本開発は1か月からが目安

個別に見積もり

ABEJA〈ABEJA Platform〉

基幹業務へのAIシステムの組み込み。自社の基盤を土台にする

上流の戦略の支援から導入、運用までを請け負う

-

AVILEN〈AIソリューション開発〉

業務で使うAIのアプリやシステムの開発

ヒアリング・課題整理、要件定義・設計、開発・実装、定着の支援の4段階

-

デジタルボーイ〈AI・システム開発〉

中小企業向けのAI・システム開発

試作から本番の開発まで、同じ会社で進める

試作50万〜200万円、小規模の本番開発150万〜350万円、業務システム400万円から。すべて税別

SalesDock〈AI受託開発〉

Excelや紙に散らばった業務を、専用のアプリにまとめる

1つの業務の分から作って納品し、その後の本実装は個別に見積もり。従業員5〜30名の会社向け

1業務スタート50万円から・税別

おまかせシステムズ〈AIエージェントPoC支援プラン〉

1つの業務に絞ったAIエージェントの試作

1部署・1業務から6〜10週間で試し、本番に進むかを決める

試作50万円から、運用支援月5万円から。いずれも税別

9社それぞれの特徴

エクサウィザーズは、AIを使った開発の進め方で業務に合うシステムを作る開発を、グループ会社のExa Frontier Edgeが受けています。PKSHA Technologyは、企業ごとの課題に合わせてAIを開発し、業務の流れに組み込むまでを顧客と一緒に進めます。

Laboro.AIは、機械学習を使うオーダーメイドのAIを作る会社で、最小限の費用と期間で効果を見極める試作の段階を置くのを基本にしています。ABEJAは、自社の基盤を土台に、顧客の基幹業務へAIを組み込み、運用までを請け負います。

AVILENは、受託開発をサービスの名前に掲げ、試作で終わらせず業務で使う前提のシステムを作ります。デジタルボーイは、中小企業診断士とAIエンジニアを代表1人が兼ねる体制で、試作から本番の開発、業務システムまでの料金を公開しています。

SalesDockは、IT専任のいない従業員5〜30名の会社に向けて、1つの業務のアプリを動く状態で納品し、合わなければそこで止められる形にしています。おまかせシステムズは、1つの業務に絞って試作し、続ける・方向を変える・やめるの3つから次を決めます。

頼む前に決めること|頼む先の選び分け・相見積もり・契約の形

頼む前に、作るものに合う頼み先、相見積もりでそろえること、契約の分け方の3つを決めます。ここが決まっていれば、2章の一覧から声をかける会社を3社ほどに絞れます。

AI受託開発を頼む前に決める3つのことの図。AI専門の会社か1業務から受ける会社かで頼む先を選び分け、同じ範囲で頼んで総額で比べるよう相見積もりをそろえ、企画・試作・開発ごとに契約を分ける。決まれば声をかける会社を3社ほどに絞れる

作るものの大きさで、頼む先を選び分ける

自社のデータでAIを学習させる開発や、基幹のシステムに深く組み込む開発は、エクサウィザーズからAVILENまでの、AIの開発を専門にする5社が向きます。5社とも料金の金額は公式ページに載せておらず、作るものを伝えて見積もりを取ります。

問い合わせへの返信案や見積もりの作成のように、手順の決まった1つの業務をAIに任せる開発は、1つの業務から受ける会社が向きます。一覧では、デジタルボーイ、SalesDock、おまかせシステムズの3社が、1つの業務の試作や1業務分のアプリから受けています。

相見積もりは、範囲をそろえて総額で比べる

相見積もりでは、同じ業務・同じ範囲を各社に伝え、データの整理、社内の仕組みとのつなぎ込み、本番への導入が見積もりに入っているかを聞いてそろえます。AIとクラウドの利用料を誰の契約で毎月いくら払うかも聞きます。

比べるときは初期費用だけでなく、月額と利用料を期間の分だけ足した総額で並べます。費用の内訳と総額の式は、AI開発・AI導入の費用相場の記事で詳しく説明しています。

契約は、企画・試作・開発の段階ごとに分ける

契約を段階ごとに分けると、試作で必要な性能に届かなかった時点で、本開発に進まない選択ができます。経済産業省が機械学習の開発を想定して公表した契約ガイドラインのAI編も、開発を段階に分けて進める形を示しています。

試作の契約の前に、本開発へ進む条件を数字で決めておきます。例えば「問い合わせ100件のうち、そのまま返せる返信案が何件出たら進む」と決めておけば、試作の結果を見て社内で判断できます。

よくある質問|予算・期間・社内の資料の扱い

AI受託開発の予算は、いくら見ておけばいいですか?

公開されている料金の例では、1つの業務の試作が50万円から、小規模の本番開発が150万〜350万円、業務システムの開発が400万円からです。いずれも税別です。まず試作の費用だけを予算に取り、本開発の費用は試作の結果を見てから見積もりを取ります。

AI受託開発には、どれくらいの期間がかかりますか?

公開されている目安では、試作が6〜10週間や2か月から、本開発が1か月からです。作る範囲とつなぐ仕組みの数で変わるため、相見積もりでは金額と一緒に工期も出してもらい、同じ範囲で比べます。

社内の資料をAIの開発会社に渡しても大丈夫ですか?

秘密保持契約を結び、AIに読ませる資料の範囲を着手の前に決めてから渡します。資料をどのAIのサービスで処理するか、その契約は誰の名義かも、見積もりの段階で聞いておきます。

観点をすべて満たすAI受託開発の会社|スマートエイトのAIコンサルティング・開発

ここまでの4つの観点をすべて満たすように組んだのが、スマートエイトのAIコンサルティング・AI開発です。何から始めるかを決めるコンサルティングから、AIシステムの開発、納品後の保守と改善までを頼めます。

スマートエイトのAIコンサルティング・開発の流れの図。聞き取りとアンケートで業務を棚卸しして企画案まで作り、試作で効果を見て本開発に進むかを決め、既存の部品で費用を抑えて本開発し、納品後も保守と継続改善を続ける

4つの観点とスマートエイト

観点

スマートエイトのAIコンサルティング・開発

試作で確かめてから本開発に進めるか

◎ まず試作で効果を検証し、本開発に進むかを決められる

費用を抑える作り方か

◎ AI特化の既存の部品を使い、一から作ると数千万円ほどかかる開発の費用を抑える

上流の業務の棚卸しから入るか

◎ 現場の社員への聞き取りとアンケートで業務を棚卸しし、AI化の企画案まで作る

納品後の保守と改善

◎ 納品後の保守運用と、継続改善のプランがある

戦略と画面の設計は、PM歴10年以上・元リクルートGMの代表が上流から担います。求人広告代理店Gでは、原稿改善・資料作成・分析の3つのAIエージェントを開発し、営業が月946時間かけていた業務を月約470時間削減しました。

費用の決まり方

AIコンサルティングは月額制で、標準の期間は1〜2か月です。月額は対象業務の範囲と部門数で見積もります。AIシステム開発は対象業務と連携の範囲で個別に見積もり、まず試作で効果を見てから本開発に進むかを決められます。

社内の業務を自動化するツールを月額で作り続けるAIツール開発・伴走支援もあります。サービスの詳しい中身は、スマートエイトのAIコンサルティング・AI開発のページで確かめられます。

さいごに

AI受託開発の会社は、AIの開発を専門にする会社と、1つの業務から受ける会社で、得意な開発も料金の出し方も違います。どちらに頼む場合も、試作で確かめてから本開発に進めるか、費用を抑える作り方か、上流の業務の棚卸しから入るか、納品後の保守と改善の4つで比べると、払う額を成果につなげやすくなります。

まずはAIに任せたい業務を1つ決め、2章の一覧から3社ほどに同じ範囲で見積もりを頼んでください。どの業務から始めるか決まっていない段階でも、スマートエイトの無料相談で、どの支援が合うかをご案内します。

※生成AI研修資料/導入事例も無料ダウンロードいただけます。