はじめに

Claude Codeがすごいと聞いても、エンジニアの道具に見えて、自分の事務の仕事にどう効くのかが分からない。そう感じている方は多いのではないでしょうか。ChatGPTのようなチャットのAIを使っていても、結局は答えを人が表に写している、という声もよく聞きます。

本記事では、Claude Codeが何をすごいと言われているのかを、研修の受講者が事務の仕事で作った3つの手順で解説します。スマートエイトは、Claude Codeを使う法人向けの生成AI研修で、受講者が自分の業務の手順を作るところまでを支援しています。

結論として、Claude Codeのすごさは、ファイルを自分で開いて読み、数え、表に書き込むところまでを1回の指示で進める点にあります。最初に任せるのは、PDFや資料から拾って表へ写す仕事が向いています。

本記事は2026年10月18日時点の情報をもとにしています。事例の時間は、研修の受講者が最終日の発表で示した本人の見立てです。

Claude Codeは何がすごいのか|読む・数える・書き込むが1回の指示で終わる

Claude Codeは、Anthropic社が作ったAIで、パソコンの中のフォルダを使って作業を進めます。チャットのAIとの違いは、答えを返すだけで止まらず、手元のフォルダにあるファイルの読み書きまで自分で行う点です。

チャットのAIとClaude Codeの違いの図。チャットのAIは人が資料を貼って答えを受け取り、表へ写すのも人。Claude Codeはフォルダの資料を自分で開き、数えて表に書き込み、人は最後に確かめるだけ

チャットのAIと何が違うのか

チャットのAIでは、人が資料を貼り付けるか添付し、返ってきた答えや作られたファイルを、人がいつもの表やフォルダへ戻します。AIが速くても、渡す作業と戻す作業は人の手に残ります。

Claude Codeは、指定したフォルダの中のファイルを自分で開いて読み、編集できます。PDFを読み、数え、決まった表に書き込んで保存するまでを、1つの指示で続けて進めます。

違いを事務の仕事の流れで並べると、次のとおりです。

工程

チャットのAI

Claude Code

資料を渡す

人が貼り付けるか添付する

フォルダの資料を自分で開く

数える・拾う

AIが答える

AIが数える

表に書き込む

人がいつもの表へ戻す

AIがいつもの表に書き込んで保存する

確かめる

人

人

事務の仕事で効くのは「拾って写す」作業

エンジニアの道具として知られていますが、効き目が大きいのは、手順が決まっていて判断の少ない事務の作業です。資料から数字や名前を拾い、決まった表に写す作業がこれにあたります。

こうした作業は、1回は短くても月に何度も繰り返されます。担当者が慣れているほど手順は頭の中にあり、ほかの人に渡しにくい作業でもあります。

AIに任せるには手順を文に書くため、頭の中にあった手順が外に出ます。2章で紹介する受講者も、自分が毎月くり返していた集計を、指示の文にしてAIに渡しました。

事務で最初に任せる3つの仕事|印刷・制作会社Eの受講者が作った手順

ここからは、通販カタログを作る印刷・制作会社Eの研修事例をもとに、事務で最初に任せる3つの仕事を紹介します。社員は約20名で、写真が中心のカタログを作っている会社です。

受講したのは、制作と進行管理の担当者です。2026年8月の3日間、計12時間の研修で、最終日に各自が自分の業務の手順を作り、実際の資料で動かして発表しました。

事務で最初に任せる3つの仕事の図。依頼書のPDFから数えて予定表へ写す作業は約90分から10〜30分、ラフから撮影リストを起こす作業は4〜5時間から約2時間、禁止語と商標の照合は当たった箇所に赤線を引く

依頼書のPDFから数えて予定表へ写す|約90分が10〜30分に

1つ目は、取引先から届く制作依頼書のPDFを読み、モデル別に撮影カット数と商品点数を数えて、予定表へ写す作業です。研修前は1回に約90分かかり、月に8〜9回くり返していました。

受講者が作った手順では、Claude CodeがPDFを読み、モデルごとにカット数と点数を数えて、いつもの集計の表に書き込みます。本人の見立てでは、1回が10〜30分になりました。

1回で60〜80分が浮き、月に8〜9回あるので、月に8〜12時間ほどが浮く計算です。数える作業はAIに任せ、人は出てきた表と依頼書を見比べて、数が合っているかを確かめます。

ラフから撮影リストを起こす|4〜5時間が約2時間に

2つ目は、紙面の*ラフから、カット番号やモデルの情報を拾い、モデルの校了表と撮影リストを作る作業です。進行管理の担当者は、写すだけで2〜3時間、構成まで含めると4〜5時間かかっていたと話しています。

研修で作った手順では、ラフを丸ごと読ませ、手を動かさずに約2時間で作れるようになりました。出したあとに「チェックして」と一言足すと、抜けていた分をAI自身が見つけたそうです。

この「チェックして」の一言は、初心者がすぐ真似できる使い方です。作らせた表をそのまま信じず、同じAIにもう一度読み直させるだけで、抜けを拾える場面があります。

禁止語と商標の照合|当たった箇所に赤線を引く

3つ目は、取引先ごとの禁止語や商標に当たる言葉を、紙面から探す作業です。これまでは、コピーライターが1社100語に満たない禁止語の一覧を見ながら書き、納品前に人の目で最後の確認をしていました。

記憶に頼る確認のため、年に数回は見落としが出ていました。受講者は、紙面のPDFと禁止語の一覧を渡すと、当たった箇所に赤線を入れたPDFを返す手順を作りました。

同じ考え方で、*カンプの色名や価格がスペック欄と食い違う箇所や、税込表記の差を見つける手順も作っています。どちらも、時間を縮めるより見落としを減らすための使い方です。

*ラフ:紙面の配置や写真の位置を大まかに描いた下書き。カタログ制作では、ここから撮影や原稿の準備が始まる。 *カンプ:印刷前に完成に近い形で組んだ紙面の見本。色名・価格・商品の仕様を最後に照らし合わせる段階で使う。

初心者がClaude Codeの使い方で迷わない始め方|フォルダ1つと3点の指示から

研修の受講者の多くは、AIの知識がほとんどない状態から始めています。初心者が最初につまずくのは、何を準備し、どう頼めばよいかが分からない点です。

初心者の始め方の図。作業用のフォルダを1つ作る、元の資料と見本の表を入れる、読む物と書く先と確かめる点を指示する、結果を元の資料と照らす、うまくいった手順を残す、の5段

最初は作業用のフォルダを1つだけ作る

始めるときは、1つの作業のためだけのフォルダを作り、元の資料と、書き込み先の表の見本を入れます。2章の例なら、依頼書のPDFと、いつもの集計の表です。

関係のない資料を同じフォルダに置かないのが、最初の決まりです。読ませる範囲が狭いほど、AIが別の資料を取り違えることが減り、確かめる範囲もはっきりします。

社外秘の資料を扱ってよいかは、会社のAIの利用ルールに従ってください。既定の設定では、ファイルを書き換える前に許可を求めます。最初のうちは、許可の確認を外さずに使うのが安心です。

指示には「何を読み、どこに書き、何を確かめるか」を書く

指示の文には、読む資料、書き込む先、確かめる点の3つを入れます。2章の集計なら、次のような形になります。

このフォルダの「依頼書.pdf」を読んでください。
モデルごとに、撮影カット数と商品点数を数えてください。
数えた結果を「集計表.xlsx」の決まった列に書き込み、保存してください。
最後に、依頼書の合計と表の合計が合っているかを確かめ、合わない所があれば一覧にしてください。

最後の1行が大切です。数え終わったあとに照らし合わせをさせると、人が確かめる場所が、合わなかった所だけに絞られます。

うまくいった手順は*スキルとして残す

同じ指示を毎回書き直すのは手間です。うまくいった手順は、スキルとしてフォルダに保存しておくと、次からは呼び出すだけで同じ作業を進められます。

研修の2日目には、受講者がスキルを作る演習を行いました。アンケートには、AIの知識がほとんどなかったところから、自分の考えたスキルを作れるようになって驚いた、という声が寄せられています。

*スキル:作業の手順や決まりを書いたファイルをフォルダにまとめたもの。Claudeが必要なときに読み込み、同じ手順で作業を進める。

Claude Codeの便利な使い方|時間が延びても任せる作業と、人が残す所

便利な使い方は、時間を縮める作業だけではありません。時間はかかっても、人が別の仕事をしている間に確かめを進めさせる使い方もあります。

時間で選ぶ作業と見落としで選ぶ作業の図。依頼書の集計は時間が縮む作業、校了前のチェックは時間が延びても見落としが減る作業として並べ、どちらも最後は人が確かめる

時間が延びても任せる価値がある作業

印刷・制作会社Eの受講者は、*校了前のチェックにもClaude Codeを使いました。既存のチェック表を渡し、日付の抜けや重複、前後の食い違いを確かめさせる手順です。

30ページ分で、人は約90分、AIは約240分かかりました。それでも価値があるのは、AIが確かめている間に、担当者が別の作業を進められるからです。見落としが減る点も、時間とは別の効き目になります。

任せる作業は、時間が縮むかどうかだけで選ばないのがコツです。人が集中力を使う確かめの作業ほど、待ち時間に回せる効き目が大きくなります。

取引先に出す前の確認は人が行う

どの作業でも、取引先に出す前の最後の確認は人が行います。2章の集計なら、表の合計と依頼書を見比べるのは担当者の仕事です。

任せる範囲が広がってきたら、定時に自動で動かす使い方もあります。自動化の作り方と、人が確かめる場所の決め方は、Claude Codeで業務を自動化する方法で解説しています。

浮いた時間が研修や道具の費用に見合うかは、生成AIの費用対効果を測る4つの問いで確かめられます。1回あたりの時間と月の回数を、任せる前後で書き出すところから始めてください。

*校了:印刷に回してよいと最終確認が済んだ状態。校了前のチェックでは、日付や価格の誤りを紙面全体で確かめる。

よくある質問|Claude Codeの初心者がつまずく点

プログラミングの知識がなくても使えますか?

使えます。印刷・制作会社Eで受講したのは制作と進行管理の担当者で、指示は日本語の文で書いています。最初は2章のような、読む資料と書く先がはっきりした作業から始めると迷いません。

会社の書類を読ませても大丈夫ですか?

会社のAIの利用ルールで、扱ってよい資料を先に決めてください。作業用のフォルダに入れた資料だけを読ませる形にすると、読ませる範囲を管理しやすくなります。ファイルを書き換える前の許可の確認も、最初は外さずに使います。

Claude Coworkとはどう違いますか?

どちらも同じ会社のAIで、ファイルを使った作業を任せられます。違いと使い分けは、Claude Coworkとは|できること3つとClaude Codeとの違いにまとめています。

研修では、どのくらいの時間で使えるようになりますか?

印刷・制作会社Eの研修は、3日間で計12時間でした。1日目に基礎とClaude Codeの操作、2日目にスキルの作成、3日目に自分の業務の手順を作って実際の資料で動かす流れです。最終日には、受講者全員が自分の業務の手順を発表しています。

さいごに

本記事では、Claude Codeが何をすごいと言われているのかを、事務の仕事で最初に任せる3つの作業から解説しました。手元のフォルダのファイルを読み、数え、表に書き込むまでを1回の指示で進められる点が、チャットのAIとの大きな違いです。

PDFや資料から拾って表へ写す作業に毎月時間を取られているなら、そこが最初の1本になります。まずは作業用のフォルダを1つ作り、読む資料と書く先と確かめる点を指示に書いて試してください。

スマートエイトの生成AI研修では、受講者が自社の資料を題材に、Claude Codeで自分の業務の手順を作るところまでを演習で行っています。

どの業務から手を付けるかで迷っている場合は、AIに任せられる業務が分かる無料診断から始めてください。3分で終わり、登録もメールアドレスも要りません。 ※生成AI研修資料/導入事例も無料ダウンロードいただけます。

事務の仕事をClaude Codeに任せる手順は、スマートエイトの生成AI研修でハンズオン形式で扱っています → 生成AI研修の詳細 </content> </invoke>