はじめに

毎回同じ前置きをAIに貼っている、スキルを作ってみたが思ったときに呼ばれない。Claudeのスキルを仕事で使い始めると、こうした悩みにぶつかる方は多いのではないでしょうか。

本記事では、skill creatorを使って社内の手順をスキルにし、試して直すまでの方法を解説します。スマートエイトは業務用のフォルダに150本のスキルを置いて日々の仕事を回し、研修でも受講者が自分の業務のスキルを作っています。

結論として、skill creatorの価値は、手順書を書く手伝いよりも「試して比べる」ところにあります。作ったスキルを実際の頼み方で動かし、スキルがない場合と見比べて直すと、仕事で使える形に早く近づきます。

本記事は2026年10月18日時点の情報をもとにしています。当社の数字は、同じ日に自社のフォルダを数えた値です。

Claude skill creatorでできること|聞き取り・下書き・試験・説明文の調整

skill creatorは、Anthropic社が公開している、スキルを作るためのスキルです。作りたいことを聞き取って下書きを作り、試して直すまでを1つの流れで手伝います。

skill creatorの4段の図。作りたいことを聞き取る、SKILL.mdの下書きを作る、試験の頼み方でスキルあり・なしを比べる、説明文を直して呼ばれやすくする、の順に進み、比べた結果から下書きへ戻る

skill creatorは何をしてくれるのか

skill creatorの手順書は、作る流れを次の順で組んでいます。やりたいことを決め、*SKILL.mdの下書きを書き、試験の頼み方で動かし、結果を見て書き直し、納得できるまでくり返す流れです。

最後に、説明文を調整して呼ばれやすくする段もあります。下書きだけでなく、試験と調整まで手伝う点が、自分でファイルを書く場合との違いです。

途中から入ることもできます。すでに下書きがあるなら、試験と直しの段から手伝ってもらえます。

使う場所で、できることが変わる

動く場所は、Claude Codeのほか、ブラウザのClaudeや*Coworkです。ただし、ブラウザでは試験を1本ずつ順に進めます。

説明文の自動調整は、Claude Codeの命令を使う作りです。手順を試して比べるところまで通したいなら、Claude CodeかCoworkで使うのが向いています。

*SKILL.md:スキルの本体になる手順書のファイル。先頭に名前と説明文を書き、その下に作業の手順や決まりを書く。 *Cowork:Claudeのデスクトップアプリで、フォルダのファイルを使う作業を任せられる機能。スキルもここから呼び出せる。

Claude Skillsの作り方|社内の手順を渡す前に決める3つ

聞かれたことに答えるだけでも、skill creatorは下書きを作ってくれます。ただ、会社の手順をスキルにするなら、渡す前に3つを決めておくと、直す回数が減ります。

skill creatorに渡す前に決める3つの図。1本で1つの作業にする、ひな形と過去の完成品と確かめる観点を渡す、説明文に何をするかといつ使うかを書く

1本のスキルで1つの作業にする

スキルは、1本で1つの作業にするのが基本です。研修で不動産仲介会社Aの受講者が作ったのは、価格査定書を作るスキルでした。

物件資料と謄本、物件の画像を渡すと、マイナスの要因と融資の付きやすさを踏まえた価格の幅を書いた、2枚の査定書が出てきます。1回目に手順をスキルに保存し、2回目からは2時間かかっていた作成が30分になったと受講者は申告しています。

査定の価格は、最後に担当者が確かめて決めます。作る手間が回収できているかは、生成AIの費用対効果を測る4つの問いで確かめられます。

ひな形・過去の完成品・確かめる観点を渡す

skill creatorに渡すのは、言葉での説明だけではありません。いつも使うひな形、うまくいった過去の完成品、出す前に確かめる観点の3つをそろえて渡します。

価格査定書なら、社内の査定書の形式と、過去に出した査定書と、価格を決める前に担当者が見る点です。手順の説明が粗くても、完成品があればAIが形をまねられます。

説明文に「何をするか」と「いつ使うか」を書く

スキルが呼ばれるかどうかは、先頭の説明文で決まります。Claudeには呼ぶべきときに呼ばない傾向があり、skill creatorは少し押しの強い説明文にするよう勧めています。

たとえば請求書のスキルは、説明文に「請求書を作成する」と何をするかを書き、「請求書作って」「請求書を発行して」等の指示で使用する、と頼み方の例まで入れています。社員が実際に口にする言葉を並べておくと、呼ばれ漏れが減ります。

Claude Code Skillsのベストプラクティス|150本を回す当社の決まり

当社の業務用のフォルダには、2026年10月18日時点で150本のスキルがあります。うち77本は、当社の業務に合わせて説明文を日本語で書いたスキルです。

スキルのフォルダの中身の図。本体のSKILL.mdには手順を書き、資料のフォルダには型と基準を、スクリプトのフォルダには計算と変換を置く。当社の150本のうち資料のフォルダを持つのは65本、スクリプトを持つのは30本

本体は500行までに収め、細部は別のファイルへ

skill creatorの目安では、本体のSKILL.mdは500行未満が理想です。説明文はいつも読み込まれ、本体はスキルが呼ばれたときに読み込まれる作りです。本体が長いほど、呼ばれるたびの読み込みが重くなります。

150本を数えると、本体の行数の中央値は218行で、500行を超えるのは3本でした。型や基準のような長い資料は、本体から別のファイルへ移しています。

本体には「どの場面で、どの資料を読むか」だけを書き、資料の中身は別のファイルに置きます。こうすると、査定書の型を差し替えるときも、本体の手順には手を入れずに済みます。

置き場所

置く物

当社の150本で持つ本数

本体のSKILL.md

作業の順番と決まり

150本

資料のフォルダ

型・基準・過去の例

65本

*スクリプトのフォルダ

計算・変換・ファイルの作成

30本

毎回同じ答えが要る処理はスクリプトに任せる

金額の計算や、ひな形からのファイル作成のように、毎回同じ結果が要る処理はスクリプトに任せます。請求書のスキルも、Excelのひな形から請求書のファイルとPDFを作る部分はスクリプトが受け持っています。

AIに毎回手順を考えさせると、同じ頼み方でも結果が揺れることがあります。答えが1つに決まる処理を外に出すと、AIは文章の判断だけに集中できます。

直したら、理由と日付をスキルに書く

仕事で差し戻しを受けたら、その場でスキルの本文を直します。直した箇所には、いつ・何が起きて直したのかを添えています。

記事を書くスキルには、章立ての直し方とその日付と理由が書かれています。理由が残っていると、半年後に読んだ人がその決まりを外してよいかを判断できます。

*スクリプト:決まった処理を自動で行う短いプログラム。スキルのフォルダに入れておくと、Claudeが手順の途中で実行する。

skill creatorで試して直す|頼み方を2〜3本作り、スキルあり・なしで比べる

下書きができたら、試験に進みます。skill creatorの試験は、同じ頼み方をスキルがある場合とない場合で走らせ、結果を見比べる形です。

試験のループの図。実際の頼み方を2〜3本作る、スキルありとスキルなしで同時に動かす、結果を画面で見比べて手順書を直す、説明文を調整する、を繰り返す

試験の頼み方は、社員が実際に言う言葉で作る

試験の頼み方は2〜3本で、社員が実際に口にしそうな言葉で作ります。価格査定書なら「この物件の査定書を作って」「融資が付きにくい点も書いて」のような頼み方です。

それぞれの頼み方を、スキルありとスキルなしで同時に走らせます。スキルなしの結果と並べると、スキルが本当に効いているかが分かります。

試験が効くのは、ファイルの変換や決まった手順のように、結果を客観的に確かめられるスキルです。文体のように好みで決まるスキルは、試験より人の目で見るほうが向いています。

結果は画面で見比べて、手順書を直す

結果は、出力を1件ずつ見るタブと、数を比べるタブのある画面で確かめます。気になった出力に感想を書き、それをもとに手順書を直します。

同じ試験で、どの回もAIが似た処理を一から書いていたら、その処理はスクリプトにして同梱する合図です。3-2の決まりと同じ考え方です。

呼ばれないときは、説明文を自動で調整する

手順が整ったら、説明文の調整に進みます。呼ばれるべき頼み方と呼ばれるべきでない頼み方を、合わせて20問ほど用意し、Claude Codeの命令で自動の調整を走らせます。

価格査定書なら、「この物件の査定書を作って」は呼ばれるべき頼み方です。一方で「査定書の一般的な書き方を教えて」は、スキルを使わずに答えてよい頼み方として混ぜます。呼ばれるべきでない側は、言葉は似ていても別の答えが要る頼み方にするのがコツです。明らかに無関係な頼み方では、調整の手がかりになりません。

調整は、頼み方の6割で説明文を直し、残りの4割で確かめる形です。各問を3回ずつ走らせ、最大5回くり返して、確かめ用の得点が最も高い説明文を選びます。

調整が終わったら、直す前と後の説明文を並べて見比べます。社員が使う言葉が消えていないかを人の目で確かめてから、本体に反映してください。

よくある質問|Claudeのスキルを社内で作るときの疑問

プログラミングの知識がなくても作れますか?

作れます。不動産仲介会社Aの研修では、社長を含む受講者6名全員が、自分の実務で動くスキルを1本以上作りました。手順を日本語で説明し、ひな形と完成品を渡せば、skill creatorが形を整えます。

作ったスキルを社内で共有できますか?

Claude Codeでは、仕事のフォルダの中の決まった場所にスキルを置くと、同じフォルダで作業する人が使えます。社外のスキルを社内に入れるときの選び方は、ビジネスで使えるClaude Skillsおすすめ12選で解説しています。

説明文を直しても呼ばれないのはなぜですか?

1手で済む単純な頼み方では、説明文が合っていてもスキルが呼ばれないことがあります。Claudeが自力で済ませられると判断するためです。試験の頼み方は、手順が何段もある実際の仕事の言葉で作ってください。

説明文は日本語で書いてよいですか?

日本語で書いて問題ありません。スマートエイトの150本のうち77本は説明文を日本語で書き、社員の頼み方の例も日本語で入れています。

さいごに

本記事では、skill creatorを使って社内の手順をスキルにし、試して直す方法を解説しました。1本1作業に絞り、ひな形と完成品と観点を渡し、実際の頼み方でスキルあり・なしを比べるのが基本の流れです。

毎回同じ前置きを貼っている作業があれば、それが最初のスキルの候補になります。まずは1つの作業を選び、過去の完成品をそろえるところから始めてください。

スマートエイトの生成AI研修では、受講者が自分の業務のスキルを作り、実際の資料で動かすところまでを演習で行っています。

どの業務から手を付けるかで迷っている場合は、AIに任せられる業務が分かる無料診断から始めてください。3分で終わり、登録もメールアドレスも要りません。 ※生成AI研修資料/導入事例も無料ダウンロードいただけます。

社内の手順をスキルにする演習は、スマートエイトの生成AI研修でハンズオン形式で扱っています → 生成AI研修の詳細 </content> </invoke>