株式会社スマートエイトは、通販カタログを制作する印刷・制作会社Eに、ClaudeとClaude Codeを使う生成AI研修を、3日間・計12時間のオンラインで提供しました。受講者は、ふだん使っているフォーマット・チェック表・商標リストを演習の題材にして、自分の業務の手順を組めるようになりました。最終日の発表では、カット数・点数の集計が約90分から10〜30分に、撮影リストの作成が4〜5時間から約2時間になりました。
基本情報
- 業種:印刷・制作会社
- 事業内容:通販カタログの制作。アパレルが中心で、1冊50〜100ページ
- 従業員数:30名未満
- 受講者:ディレクター、プロデューサー、デザイナー
- 研修期間:3日間・計12時間
- 研修の形式:オンラインのハンズオン
- 提供サービス:生成AI研修(Claude・Claude Code)
事前にご相談頂いた課題
課題①:依頼資料やラフからのリスト作りが、すべて手作業だった
撮影の依頼資料からモデル別のカット数と商品の点数を数え、いつものフォーマットに落とし込む作業は、1回約90分で月8〜9回ありました。ラフからカット番号とモデルの情報を拾う撮影リストは、写すだけで2〜3時間、構成まで含めると4〜5時間かかっていました。どちらも、カタログを作るたびに発生する作業です。
課題②:禁止語と価格・色名のチェックを、人の目と記憶に頼っていた
取引先から渡される100語に満たない禁止語のリストを見ながらコピーを書き、納品前に人の目で確かめていましたが、年に数回は見落としが出ていました。価格・品番・色名・サイズのスペックと紙面の突き合わせも、抜けやすい作業です。担当者は研修前の打ち合わせで、「絶対に人間の目でやってたら100点取れないんですよ」と話していました。
課題③:以前に入れたAIは、一部の人しか使えなかった
以前に導入したAIのソフトは使える人が限られ、手順がマニュアルになっていなかったため、社内に広がりませんでした。受講者の多くは、仕事でAIをほとんど使ったことがありません。
課題要因(なぜ従来のアプローチでは解決しなかったか)
- 何をどう数え、どこを確かめるかの判断のルールが担当者の頭の中にあり、AIに渡せる手順になっていなかったため
- チェック表と商標リストは整っていたが、紙面と照らし合わせるのは人だったため
- 以前のAIは使い方が一部の人に閉じていて、ほかの社員が同じ手順をくり返せなかったため
選んだアプローチ
ClaudeとClaude Codeを使う生成AI研修を、3日間・計12時間で提供しました。受講者がふだん使っているフォーマット・チェック表・商標リストを演習の題材にし、最終日には各自が組んだ手順を、実データを題材にして動かして発表する構成にしました。
なぜこのアプローチか
- チェック表と商標リストがすでに文書になっており、AIに読み込ませれば判断のルールをそのまま渡せるため
- 一部の人だけが使う道具ではなく、受講者それぞれが自分の業務の手順を組む技能を身につければ、社内に広げられるため
研修の全体設計
各回はハンズオンと演習を中心に進めました。生成AIとClaude・Claude Codeの基礎、ツールの比較、セキュリティから始め、Claude Codeのハンズオン、プロンプト設計、画像の読み取りと線画を起こす画像生成、手順書(スキル)とエージェントの作成、複数のAIに役割を分けて確かめ合わせるチェックの組み立てへと進みました。最後は、受講者が自分の業務のスキルとエージェントを作り、実データを題材に動かして精度を上げ、発表しています。
1日目から受講者は、制作の段階ごとのフォルダ名とファイル名の付け替えや、撮影の工程表のExcelのひな形など、身近な作業を題材に手順を組み始めました。
結果
最終日には、受講者全員が自分の業務を題材に手順を組み、実データを題材にして動かして発表しました。時間が変わった主な業務は次のとおりです。
業務 | 研修前 | 研修で組んだ手順で |
|---|---|---|
依頼資料からのカット数・点数の集計 | 約90分、月8〜9回 | 10〜30分 |
ラフからのモデル撮影リストの作成 | 4〜5時間 | 約2時間、手を動かさずに作れる |
ラフ段階のモデルのカット数のカウント | 毎回手で数え、合っているか不安が残る | 1分未満 |
事例① カット数・点数の集計:約90分→10〜30分
- Before:撮影の依頼資料を見ながら、いつものフォーマットに手で落とし込み、モデル別の点数を数えていた。1回約90分で、月8〜9回
- After:依頼資料のPDFを読み込ませ、いつものフォーマットに落とし込んでモデル別の点数まで出させる手順を組んだ
発表した受講者は、「結構いつもペース早く出してくれって言われるので時間ないときにパッと出てくるのもすごい良いかなと」と話しました。
事例② モデル撮影リストの作成:4〜5時間→約2時間
- Before:ラフのカット番号とモデルの情報を写すだけで2〜3時間、構成まで含めて4〜5時間かかっていた
- After:ラフのPDFを全部読み込ませ、撮影リストに起こさせる手順を組んだ。出力のあとに「チェックして」と1回指示を足すと、抜けていたカットをAI自身が見つけた
この受講者は、出力をAIに見直させる工程の効き目を「チェックさせるっていうのも大事」とまとめました。別の受講者は、看板の条件を画像ではなく文字で定義してからモデルのカット数を数えさせ、1分もかからずに正しい数を出しました。
事例③ 紙面のチェック:カンプの照合・禁止語・校了前のチェック
- カンプの照合:色名・価格がスペック欄と食い違う箇所と、2点同時購入の場面で税込価格と表記価格がずれた箇所に、赤線を入れたPDFを出させる
- 禁止語・商標:取引先のリストの語だけを参照させ、当たった箇所をPDFで示させる
- 校了前のチェック:既存のチェック表をそのまま読み込ませ、日付の抜け・重複とQRコードのリンク先まで確かめさせる。AIが確かめている間に、別の業務を進められる
最終日の5点満点のアンケートは、満足度4.0、「今後の業務で活用できそう」4.2でした。
研修を通じた変化
研修の約1か月後も、受講者は研修で身につけた組み方で手順を手直ししながら、日々の作業に使っていました。カタログごとに看板の構成が違うため、手順をカタログ別に分けて精度を上げる進め方も、受講者自身が検討しています。研修の窓口を務めたディレクターは「作業的にはもちろん楽になっていってます」と話し、社内では、社員全員のパソコンにClaudeを入れて、作った手順を共有していく話も出ています。
受講者の声
「AIに対してほとんど知識がなかったところから、自分の考えたスキルをつくれるようになったので驚きました。」 ― 受講者
「PDFからモデル香盤のエクセルを作成させるスキルを作成できた」 ― 受講者
「実際の作業をベースに考えることができてよかった」 ― 受講者




