はじめに

「LLMO対策」と調べてみたものの、対策がいくつも並んでいるだけで、自社が何から手を付ければいいのか分からなかった経験はないでしょうか。AIで調べられたときに自社の名前が出るようにしたいと頼まれても、担当者1人で全部を同時に進めるのは現実的ではありません。

本記事では、ChatGPTやGoogleのAIの答えに自社の名前が挙がりやすくするための対策を、取り組む順番に並べて解説します。スマートエイトは法人向けの生成AI研修とAI開発を行う会社で、自社のサイトでもこの対策を進め、毎週AIに質問して結果を記録しています。

結論として、LLMO対策は「AIに読まれる状態を作る」「引用されやすいページを作る」「自社の外で名前が出るようにする」「毎週確かめる」の4つの手順で進めます。話題になっている対策の中にも、後回しにしてよいものがあります。

本記事は、2026年10月30日時点の各社の公式情報と、スマートエイトが自社のサイトで実際に行っている対策をもとにしています。

LLMO対策とは|SEOと何が違い、なぜ順番が要るのか

SEOとLLMO対策の違いと、4つの手順の順番を示す図。SEOは検索結果で上位に表示させ、クリックしてもらう対策、LLMO対策はAIの答えの中で名前を挙げてもらう対策。手順は、最初の週に1回聞いて今の状態を控え(手順4)、AIに読まれる状態を作り(手順1。できていないと手順2と手順3は効かない)、引用されやすいページを作り(手順2。自社のサイトの中で直せる)、自社の外で名前が出るようにし(手順3。載せてもらう相手がいる)、毎週確かめて次の手を決める(手順4)

LLMOとは何の略で、何をする対策?

LLMOは、英語の Large Language Model Optimization の頭文字を取った言葉で、エルエルエムオーと読みます。ChatGPTやClaudeのように文章で答えるAIを動かしている仕組みを、大規模言語モデルと呼びます。

LLMO対策とは、こうしたAIに質問した人が受け取る答えの中で、自社の名前やサービスが挙がりやすくするための取り組みです。たとえば「法人向けの生成AI研修はどこがいいか」とAIに聞かれたとき、候補の1社として名前が出る状態を目指します。

SEOやAIOとは何が違う?

SEOは、Googleなどの検索結果で自社のページを上位に表示させ、クリックしてもらうための対策です。LLMO対策が目指すのはクリックではなく、AIの答えの中で名前を挙げてもらうことにあります。

AIの答えを読んだ人は、そこで調べ物を終えることが少なくありません。検索の順位が高くても、答えの中に名前がなければ、その人の比べる候補には入らないのです。

AIO*という呼び名もよく見かけますが、指している中身はLLMO対策とほぼ同じです。Googleの検索結果に出るAIによる概要*に載るための対策を、AIOと呼ぶ場合もあります。

ただし、土台がSEOと別物になるわけではありません。Googleは、AIの機能に向けた対策も検索の基本と同じだという立場です。

対策を順番なしに並べると、なぜ手が止まる?

「LLMO対策」で上位に出てくる記事の多くは、構造化データ、よくある質問、外部サイトでの紹介など、いくつもの対策を横に並べています。どれも間違いではありませんが、担当者が1人の会社では、全部を同時に進めることはできません。

しかも、対策の間には前後の関係があります。AIの検索ロボットがサイトを読めない設定のままなら、ページの書き方をいくら整えても引用されません。結果を確かめる仕組みがなければ、続けるか見直すかも決められないままです。

そこでスマートエイトは、自社で一通り試したうえで、対策を4つの手順に並べ直しました。手順1ができていないと手順2と手順3は効かず、自社のサイトの中で直せる手順2を、載せてもらう相手のいる手順3より先に置いています。手順4の質問だけは最初の週に1回聞いて今の状態を控え、その後は毎週聞き直して次の手を決めます。

*AIO:AIの答えに自社の情報を載せるための対策を指す呼び名です。LLMO対策とほぼ同じ意味で使われ、GoogleのAI機能への対策だけを指す場合もあります。 *AIによる概要:Googleの検索結果に、AIがまとめた答えを表示する機能です。答えと一緒に、もとにしたページへのリンクが表示されます。

手順1|AIに読まれる状態にし、会社の説明を1つにそろえる

手順1の流れの図。1つ目に「自社のドメイン/robots.txt」を開き、OAI-SearchBot・Claude-SearchBot・PerplexityBot の名前の下に「Disallow: /」があれば読めない状態だと確かめる。学習用だけを止め、検索用は通しておける。2つ目に、誰に・何を・どんな強みでの3つで何の会社かを一文に決める(スマートエイトの場合は法人向けの生成AI研修・AI開発・AI顧問の会社)。3つ目に、同じ一文をまず自社サイトのトップページと会社概要に、次にGoogleビジネスプロフィール、XやFacebookのプロフィール、プレスリリースの配信サイトの企業ページに載せる

AIの検索ロボットを止めていないか、どう確かめる?

ChatGPTやClaudeは、質問に答えるときにWebを検索し、各社の検索ロボットが読んだページをもとに答えを作ります。ロボットがサイトに入ってよいかどうかは、サイトに置いた robots.txt* という設定ファイルで決まります。

確かめ方は、ブラウザのアドレス欄に「自社のドメイン/robots.txt」と入れて開くだけです。OAI-SearchBot、Claude-SearchBot、PerplexityBot のどれかの名前の下に「Disallow: /」とあれば、そのAIの検索ロボットが自社のサイトを読めない状態です。

「User-agent: *」の下に「Disallow: /」と書かれている場合も、名前で個別に書かれていないロボットを、すべて止めている状態です。公開前に入れた設定が残っていることがあるので、見つけたらサイトの制作会社か管理者に、検索用のロボットを通すよう直してもらいます。

AIの会社は、検索に使うロボットと、AIの学習に使うロボットを分けています。OpenAIなら、ChatGPTの検索に使うのはOAI-SearchBot、学習に使うのはGPTBotです。学習に使われたくない場合は、学習用だけを止め、検索用は通しておけます。

スマートエイトは、学習用も含めてAIのロボット12種をすべて受け入れる設定にしています。研修や開発の考え方をAIに広く知ってもらうほうが、自社にとって得だと判断したためです。

「何の会社か」は、どう決めればいい?

AIの答えは、Web上に書かれた自社の説明をもとに作られます。サイトでは「AI研修の会社」、SNSでは「DX支援の会社」と書き分けていると、AIの答えの中で自社の像がぼやけてしまいます。

そこで、誰に、何を、どんな強みで提供している会社かを、一文に決めます。強みには数字や実績のような確かめられる根拠を添えると、AIにも人にも伝わりやすくなります。

スマートエイトの場合は「法人向けの生成AI研修・AI開発・AI顧問の会社」を軸にし、研修は最大30時間を対面で教えること、AI顧問は経営者の専用AIづくりを支えることを、根拠として添えています。

決めた説明は、どこに載せればいい?

決めた一文は、まず自社サイトのトップページと会社概要に載せます。ページごとに言い回しを変えず、同じ一文を使うのがポイントです。

次に、Googleビジネスプロフィール*、XやFacebookのプロフィール、プレスリリースの配信サイトにある企業ページを、同じ一文に直します。社外の人が書く紹介文は直せませんが、自社が書ける場所はすべてそろえられます。

*robots.txt:サイトに置く設定ファイルで、検索ロボットにどのページを読んでよいかを伝えます。サイトの一番上の階層に置かれています。 *Googleビジネスプロフィール:Googleの検索や地図に、会社やお店の情報を載せる無料の仕組みです。住所や営業時間と一緒に、会社の説明文を書けます。

手順2|AIが引用しやすいページを作る

手順2の図。最初に作るページは比較・選び方・費用・よくある質問の4つ。書き方の4点は、冒頭で答える、よくある質問を問いの形の見出しで置く、比較表を置く、更新日を出す、で、ページの線画の上に番号で場所を示す。llms.txtとAI向けの構造化データはページを整えた後で十分で、案内する先のページが無いうちは中身が空になる

どんなページがAIに引用されやすい?

買う前の人がAIに聞くのは、「どこがいいか」「いくらかかるか」「何が違うか」といった、比べて選ぶための質問です。こうした問いに正面から答えたページがあれば、AIはそれを材料にして答えを組み立てられます。

そのため、最初に作るページは、自社のサービスの比較、選び方、費用、よくある質問の4つが向いています。会社の紹介やお知らせのページは、比べて選ぶための質問の答えにはなりにくいものです。

スマートエイトが毎週の点検で答えの材料を見ていくと、引かれていたのは、料金・時間・研修の形を自社のサイトに書いた研修会社のページでした。そこでスマートエイトも、研修の選び方や費用、助成金の条件などを扱うページを14本公開しています。

たとえば法人向け生成AI研修の比較では、研修を選ぶ観点と各社の違いを1ページにまとめました。

書き方は何を変えればいい?

大きく変えるのは、見出しと最初の1文です。見出しを「LLMO対策は何から始める?」のような読者の問いの形にし、そのすぐ下の1文で答えを言い切ります。

数字や条件が複数あるときは、文章に埋めずに表にまとめます。料金やプランの違いは、表になっているほうが、AIにも読む人にも取り出しやすくなります。

ページには更新日を表示し、料金や制度が変わったら中身を直します。スマートエイトのページでは、冒頭で答える、よくある質問を問いの形の見出しで置く、比較表を置く、更新日を出す、の4点をそろえています。

llms.txtやAI向けの構造化データは、先にやるべき?

llms.txt*は、AI向けにサイトの案内を書いておくファイルとして提案されたものです。構造化データ*も、AI対策としてよく勧められます。

ただ、Googleは、AIによる概要のような検索のAIの機能に表示されるために、llms.txtやAIのために新しく足す構造化データは要らないとしています。

スマートエイトもllms.txtを置いていますが、中に書いているのは、すでにある答えのページへの案内です。案内する先のページが無いうちに作っても中身が空になるため、手間をかけるのはページを整えた後で十分です。

*llms.txt:AIに向けて、サイトの概要や読んでほしいページを書いておくテキストファイルです。サイトの一番上の階層に置く形が提案されています。 *構造化データ:ページの内容を、検索エンジンが読み取りやすい決まった形式で書き添えるものです。よくある質問や会社の情報などの種類があります。

手順3|自社の外で名前が出るようにする

手順3の図。決めた一文と同じ言葉で、外に名前が載る場所を増やす。場所は、業界のメディアや地域の経済紙の取材記事、サービスを比べて探す人が使う国内の比較サイトや紹介サイト、展示会やセミナーの出展社や登壇者の紹介ページ、自社のYouTubeやウェビナーで買う人の質問に答えた動画、そしてプレスリリース(新しいサービス、他社との協業、調査の結果を1本ずつ。協業先が出すリリースに名前が載るのも外の掲載)。省いて構わない対策は、比較サイトの有料の上位枠、名前を載せてもらうためだけの中身の薄い記事の量産、実際の評判と違う紹介や書き込みを頼んで集めること

なぜ自社のサイトだけでは足りない?

自社のサイトにどれだけ丁寧に書いても、AIが読む材料の一部にすぎません。AIが「おすすめの会社」を答えるときには、比較記事やニュース、取材記事、動画など、自社のサイトの外にある情報も材料になります。

そのため、2章で決めた一文と同じ言葉で、自社の外にも名前が載る場所を増やしていきます。外の記事に書かれる説明が自社の一文とそろっていれば、AIの答えの中でも同じ像で紹介されやすくなります。

日本では、どこに載ればいい?

海外の解説ではLinkedInや海外の口コミサイトがよく挙がりますが、日本の中小企業なら、使いやすい場所は次の4つです。

  • 業界のメディアや地域の経済紙の取材記事
  • サービスを比べて探す人が使う、国内の比較サイトや紹介サイト
  • 展示会やセミナーの、出展社や登壇者の紹介ページ
  • 自社のYouTubeやウェビナーで、買う人の質問に答えた動画

スマートエイトは展示会に出展し、主催者のサイトの出展社紹介にも、研修の中身と実績を載せています。出展や登壇は、取材を待たずに自社から作れる外の掲載です。

プレスリリースは何を出せばいい?

プレスリリースは、PR TIMES*のような配信サービスを使うと、外に名前が載る場所を一度に増やせます。出すのは、新しいサービス、他社との協業、調査の結果のような、本当のニュースを1本ずつです。

スマートエイトはこれまでに、新しいサービスの開始や研修の導入事例など6本を配信しました。1本ごとに中身を1つに絞ると、転載先の記事でも何の会社かが伝わりやすくなります。

協業先の会社が出すリリースに名前が載るのも、外の掲載の1つです。スマートエイトの協業も、協業先がPR TIMESで発表し、その中で紹介されました。

比較サイトの有料の上位枠に載せてもらう対策も、スマートエイトは見送っています。毎週の点検で、AIの答えの材料に比較サイトが出てくることは、まれだったためです。

名前を載せてもらうためだけに中身の薄い記事を量産したり、実際の評判と違う紹介や書き込みを頼んで集めたりする対策も、省いて構いません。Googleも、作為的に言及を集めても期待したほどは役立たないとしています。

*PR TIMES:企業のプレスリリースを配信する国内のサービスです。配信したリリースは、提携しているニュースサイトにも転載されます。

手順4|毎週AIに同じ質問をして確かめる

手順4の流れの図。1つ目に、買う人が聞きそうな質問を5〜10問、自社の名前を入れず、同じ言い方でChatGPTとGoogleの検索結果に出るAIによる概要に毎週聞く。2つ目に、自社の名前が出たか、答えの材料になったページ、一緒に挙がった競合の名前、名前が出なかった質問を記録する。3つ目に、名前が出なかった質問について、その問いに正面から答えるページが自社にあるかを見て、無ければ手順2に戻って1本作り、あるのに出なければ手順3に時間を回す

何を何問、どのAIに聞けばいい?

質問は、買う人が実際にAIに聞きそうなものを5〜10問用意します。商談や問い合わせで最初に聞かれたこと、比べられた競合の名前を書き出すと、質問の形が見えてきます。

スマートエイトなら「法人向けの生成AI研修でおすすめの会社は?」「AI研修の費用の相場は?」のような質問です。自社の名前を入れた質問ではなく、まだ自社を知らない人が聞く形にするのがポイントです。

聞く先は、利用者の多いChatGPTと、Googleの検索結果に出るAIによる概要から始めます。AIの答えは聞くたびに少しずつ変わるため、同じ質問を同じ言い方で、毎回聞き直します。

結果は何を記録すればいい?

記録するのは、次の4つです。

(表1)

記録すること

何に使うか

自社の名前が出たか

対策が届いているかを見る

答えの材料になったページ

どのページが引用されているかを知る

一緒に挙がった競合の名前

比べられている相手を知る

名前が出なかった質問

次に作るページを決める

名前が出なかった質問は、まず、その問いに正面から答えるページが自社にあるかを見ます。無ければ、3章の手順2に戻って1本作ります。あるのに出ないなら、外で名前が載る場所が足りていないと見て、4章の手順3に時間を回します。

点検の結果は、問い合わせの数や商談で聞いたきっかけと並べて、続けるかどうかの判断に使います。

点検を自動で回すには?

手で回すなら、まずは月に1回、同じ日に聞くところから始めます。質問が10問、聞く先が2つになると、1回の点検だけで20回の質問と記録が必要になり、毎週続けるには自動で回す仕組みが要ります。

スマートエイトは、毎週月曜の朝に、Claude Code*から、Webを検索するClaudeに9つの質問を聞かせています。答えの中に社名やサイトのURLが含まれるかを、プログラムで自動に判定して記録する仕組みです。

担当者の手元に残るのは、記録された結果を読み、次に作るページや載せてもらう先を決める仕事です。Claude Codeで業務を自動にする方法は、法人向けClaude Code研修の選び方でも紹介しています。

自動にした後は、手で聞いていた回数のうちどれだけが片付き、結果を確かめる人の時間がどれだけ残ったかを数えます。数え方は、生成AIの費用対効果を測る4つの問いで解説しています。

*Claude Code:Anthropic社のAIに、パソコン上でファイルの読み書きやプログラムの実行まで任せられる道具です。決まった作業を毎週自動で回す使い方もできます。

さいごに

本記事では、LLMO対策を4つの手順に並べて解説しました。AIに読まれる状態を作って会社の説明をそろえ、比べて選ぶための質問に答えるページを作り、自社の外で名前が載る場所を増やし、毎週同じ質問で確かめる、という順番です。llms.txtやAI向けの構造化データはページを整えた後で十分で、作為的に言及を集める対策は省いて構いません。

AIで調べられたときに自社の名前が出てこないと感じている担当者は、今週のうちに3つだけ試してみてください。robots.txtの中身を見ること、会社の説明を一文に決めること、買う人の質問を5つ書き出してChatGPTに聞くことです。

スマートエイトの生成AI研修では、こうした点検のような繰り返しの業務を、Claude Codeで自動にする方法を、受講する会社の業務を題材に演習します。

※生成AI研修資料/導入事例も無料ダウンロードいただけます。