はじめに
Copilot Coworkを試してみたいものの、従量課金で毎月いくら増えるのかが分からず、上司や経理に説明できずにいないでしょうか。料金のページには「使用量に応じて課金」とあるだけで、自社の使い方なら月にいくらになるのかは分かりません。
本記事では、Copilot Coworkの料金を、ライセンスの月額と、使った分だけ払う従量課金に分けて説明します。そのうえで、3人で使う時の円の試算と、小さく試す時の上限の置き方を紹介します。スマートエイトは法人向けの生成AI研修でMicrosoft 365 Copilotを扱い、10月にはCoworkの導入を検討するための予算の資料を作りました。
結論として、Coworkの料金は、1人ごとのライセンスに、1クレジット0.01米ドルの従量課金が足される形です。3人で月120回使うと、1回の重さによって月18,000円から180,000円まで変わるため、最初は人数と月の上限を決めて小さく試すのが安全です。
本記事は、2026年11月5日時点のMicrosoftの公式の情報をもとにしています。金額はすべて税別で、円の試算は1ドル150円の仮定で計算しています。
Copilot Coworkの料金の仕組み|ライセンスの月額と、使った分の従量課金
Copilot Coworkの料金は、2つの足し算でできています。1人ごとに毎月かかるライセンスの料金と、Coworkに仕事を頼んだ分だけ増える従量課金です。

Coworkを使うには、どの契約が要るのか
Copilot Coworkは、仕事を任せると手順を自分で組み、Word・Excel・PowerPointの作成やメールの下書きまで進める機能です。メールの送信や会議の設定の前には、利用者に承認を求めます。何ができ、いつから使え、最初にどの業務を頼むかは、Copilot Coworkとは|いつから使えるかと、最初に頼みたい4つの業務にまとめています。
Coworkを使うには、利用者にMicrosoft 365 Copilotのライセンスが割り当てられ、会社の管理者がCoworkと従量課金を有効にしている必要があります。従量課金を有効にした後も、料金がかかるのは、Coworkなどの対象の機能を実際に使った分だけです。
ライセンスの月額は、1人いくらか
Microsoft 365の契約に足すライセンスは、大企業向けのMicrosoft 365 Copilotと、300人までの会社向けの*Copilot Businessの2つです。Microsoft 365 Copilotは、年払いの月額相当で1人月4,497円で、条件を満たすMicrosoft 365のプランが別に要ります。
Copilot Businessは、年払いの月額相当で1人月3,148円です。対象のビジネスプランを使う会社が12月31日までに年間契約で足すと、初年度に限り1人月2,698円になります。
従量課金は、Copilotクレジットで数えて後払いになる
Coworkの追加の料金は、*Copilotクレジットという単位で数えます。単価は1クレジット0.01米ドルで、その月に使った分を月末にまとめて後払いで請求されます。前払いの約束は要りません。
チャットや、Word・Excel・Outlookの中のCopilotは、モデルを自動で選ぶ既定の設定のまま使えば、ライセンスの料金に含まれます。クレジットで払うのは、Coworkのように時間をかけて仕事を進める機能と、新しい高性能のモデルを選んだ時です。ライセンスにも使う量の上限が設けられる予定で、届いた後もクレジットで続けると、その分は従量課金になります。
*Copilot Business:300ユーザーまでの会社向けの、Microsoft 365 Copilotのライセンス。ビジネス向けのMicrosoft 365のプランに足して使う。
*Copilotクレジット:Coworkなどの高度な機能を使った分だけ減っていく、Microsoftの共通の単位。1クレジット0.01米ドルで請求される。
Copilot Coworkの1回の料金|仕事の重さで変わるクレジットの目安
Coworkの1回の料金は、頼む仕事の重さで変わります。Microsoftは、仕事を軽・中・重の3段階に分け、1回に使うクレジットの目安を出しています。

軽い仕事は100〜300、会議の準備は300〜700クレジット
軽い仕事は、読む情報が少なく、出来上がる物が1つ以下の仕事です。毎週月曜の朝にチームの状況報告を作るような仕事で、目安は1回100〜300クレジットです。
中くらいの仕事は、読む情報が多く、出来上がる物が2つ以上の仕事です。顧客との会議の準備で、関係するメールや予定、最近のファイルから、説明の資料と売上のExcel、顧客向けのプレゼンを作るような仕事が当たり、目安は300〜700クレジットです。
重い仕事は、6か月分の利用データを分析し、経営向けの報告にまとめるような仕事で、700クレジットを超えます。Microsoft自身は、これらの数字を大まかな計画用の目安としています。
円に直すと、1回150円から1,000円を超えるまで
1クレジット0.01米ドルを1ドル150円で数えると、1クレジットは1.5円です。軽い仕事は1回150〜450円、中くらいの仕事は450〜1,050円で、重い仕事は1回1,050円を超えます。為替の置き方は、3-1で説明します。
会議の後に、議事録・次回の資料・連絡メールの下書きをまとめて頼む整理も、出来上がる物が2つ以上なので、目安では中くらいの仕事に当たります。1回450〜1,050円と見ておくと、3章と4章の試算が読みやすくなります。
同じ仕事でも、モデルと読みにいく範囲で増える
クレジットの量は、使うAIのモデル、動いている時間、読みにいくメールやファイル、メールの送信のような操作の組み合わせで変わります。消費に入る物は、モデルの応答、道具やスキルの呼び出し、画像の生成、ブラウザでの作業です。
Coworkでは、使うモデルと*推論の深さを利用者が選べます。読ませるファイル・相手・期間を先に指定しておくと、余計な探索と作り直しが減り、1回のクレジットも抑えられます。
*推論の深さ:Coworkが答えを出す前にどこまで考えるかの設定。品質・速さ・費用の釣り合いを決め、既定は中くらいになっている。
従量課金を円で試算する|3人で月120回使うと月にいくらか
ここからは、スマートエイトが10月に作った、Coworkの導入を検討するための予算の資料の試算を紹介します。月の予算は、今のMicrosoft 365の契約費、Copilotのライセンス費、Coworkで使ったクレジットに単価を掛けた額の3つを足して組みます。

試算の前提は、3人が週10回ずつ頼む使い方
使う人は3人で、1人が週に10回Coworkに仕事を頼み、1か月を4週と数えます。月の回数は、3人×10回×4週で120回です。
1回のクレジットは、100・300・1,000の3通りを置きます。軽い仕事・中くらいの仕事・重い仕事を比べるための仮定で、実際の消費は自社の仕事で測るまで分かりません。
為替は1ドル150円で置きます。Microsoft 365 Copilotは米国で1人月30ドル、日本で4,497円で、日本の価格表は1ドルおよそ150円の換算になっているためです。
三菱UFJ銀行の11月5日の仲値は1ドル158.21円で、この相場で請求されると、下の金額はおよそ5.5%増え、仮定Bの54,000円なら約57,000円になります。円での請求の単価は、契約と請求の条件で決まります。
1回の重さで、月18,000円から180,000円まで10倍変わる
月120回を3通りの重さで計算すると、次の表のとおりです。どれもCoworkの追加の料金だけで、ライセンスの料金は入っていません。
試算する項目 | 仮定A | 仮定B | 仮定C |
|---|---|---|---|
1回のクレジット | 100 | 300 | 1,000 |
1回の料金 | 150円 | 450円 | 1,500円 |
月のクレジット | 12,000 | 36,000 | 120,000 |
月の料金 | 18,000円 | 54,000円 | 180,000円 |
同じ月120回でも、1回の重さで月の料金は10倍変わります。予算を決める前に、頼む予定の仕事が軽・中・重のどれに当たるかを先に見ておきます。
ライセンスを足す会社は、仮定Bで月63,444円+今の契約費が目安
まだライセンスを持っていない3人に足す場合は、ライセンスの費用も予算に入ります。Copilot Businessの通常の価格で3人分を足すと、年払いの月額相当で9,444円です。仮定Bの54,000円と合わせると月63,444円、仮定Aの18,000円となら月27,444円で、ここに今のMicrosoft 365の契約費を足した額が目安になります。
決まった時刻に自動で動かす使い方も、1回ずつ料金に入ります。平日の毎朝1回、軽い仕事を動かすと月に約20回で、1人月2,000〜6,000クレジット、3,000〜9,000円です。簡単な質問や短い文の相談は、Coworkの隣の「チャット」を使い、モデルを自動で選ぶ既定の設定のまま済ませれば、ライセンスの範囲に収まります。
小さく試す時の上限の置き方|2人・2週間・1万クレジット
Coworkを会社で使うかを決める前に、人数と上限を絞って試す方法があります。スマートエイトの予算の資料では、2人で2週間、1つの業務だけを試し、使う枠を1万クレジットに置きました。

2人で2週間、会議の後の整理だけを試す
試すのは、Copilotのライセンスをすでに持っている2人です。業務は会議の後の整理に絞り、始める前に、今の作業時間を記録しておきます。
1週目は1人5回を目安に使い、確認と手直しにかかった時間と、使ったクレジットを記録します。2週目は同じ手順でもう一度頼み、そのまま使えた成果物の割合と費用を1週目と比べるのが、この試し方の要です。
回数は、2人×5回×2週で20回です。1回300クレジットと置くと、20回×300クレジット×1.5円で、試す費用の目安は9,000円になります。
枠は全体で1万クレジット、1人5,000クレジットに絞る
使える人と月の上限は、管理者が*支出ポリシーで決めます。従量課金を始める時に有効にする既定のポリシーは、そのままだと全員が対象です。対象を試す2人のグループに絞り、使える機能もCoworkだけにチェックして、全体の月の上限を10,000クレジット、15,000円相当に置きます。
1人あたりの月の上限は2,000クレジット以上にする必要があり、ここでは1人5,000クレジットにします。9,000円の目安に頼み直しの分の幅を持たせ、1人が全体の枠を使い切らないようにする置き方です。上限に届いた人は、翌月1日に戻るまで、その月はCoworkを使えなくなります。
既定のポリシーを全員のまま残し、2人用のポリシーを別に足すと、2人には1人の上限が高いほうのポリシーが当たり、1万クレジットで止まらないことがあります。新しく出た機能を自動で加える設定も切っておけば、これから出る機能で枠が減りません。設定の画面と手順は、Microsoft 365 Copilotの料金|12月からの買い方と、従量課金の設定にまとめています。
1回ごとに/costで記録し、1件あたりの費用で決める
Coworkで*/costと打つと、その仕事で使ったおおよそのクレジットと、月の残りが分かります。表示は概算で、請求の正式な記録ではありません。使った量は管理者の画面で、請求の額はポリシーの請求方法に選んだ契約の請求で確かめます。
2週間が終わったら、時間・品質・費用の3つで続けるかを決めます。依頼と確認と手直しの合計が元の作業時間を下回ったか、根拠の無い数字や送ってはいけない連絡が出なかったか、そのまま使えた成果物1件あたりの費用はいくらか、を見ます。
使った額を、そのまま使えた件数で割って見る考え方は、生成AIの費用対効果を測る4つの問い|OpenAI CFOの採点表の使い方で整理しています。
*支出ポリシー:従量課金を誰が使え、月にいくらまで使えるかを決める管理者の設定。上限に近づいた時の通知もここで決める。
*/cost:Coworkの入力欄に打つと、その仕事で使ったおおよそのクレジットと月の残りが出る命令。打ってもクレジットは減らない。
よくある質問|Copilot Coworkの料金で迷いやすい点
Copilot Chatしか契約していなくても、Coworkは使えますか?
使えません。Coworkは、従量課金で管理する機能のうち、Copilotのライセンスが要る機能です。会社のMicrosoft 365の契約に含まれる無料の*Copilot Chatだけでは使えず、Microsoft 365 CopilotかCopilot Businessのライセンスを足す必要があります。
使わなかったクレジットは、翌月に繰り越せますか?
繰り越せません。月の上限は、協定世界時の毎月1日0時にリセットされ、日本時間では1日の朝9時に戻ります。前の月に使わなかった分は、新しい月の上限に足されません。
頼む前に、その仕事の料金を知る方法はありますか?
今はありません。/costで分かるのは、実行した後に使ったクレジットだけです。最初の数回は2章の目安で見積もり、/costで測った自社の数字に置き換えていきます。
前払いにすると、安くなりますか?
使う量が多ければ安くなります。1年分を前払いするプランは、300,000クレジットから5%の割引で、量が増えるほど最大20%まで下がります。最小の300,000クレジットは5%引きで2,850ドル、1ドル150円なら約43万円になり、使わなかった分は1年の期間の終わりに消えます。
月ごとに買う*Copilot Studioのパックは、25,000クレジットで月29,985円です。従量課金を1クレジット1.5円で数えると、月に約2万クレジットより多く使う会社で、パックのほうが安くなります。パックを持つ会社では、Coworkもパックのクレジットから先に使います。
*Copilot Chat:対象のMicrosoft 365の契約に追加の費用なしで含まれるCopilot。Webの情報と、自分で渡した資料をもとに答える。
*Copilot Studio:Copilotのエージェントを作るための、Microsoftの道具。25,000クレジットずつのパックを月ごとに買える。
さいごに
本記事では、Copilot Coworkの料金を、ライセンスの月額と使った分の従量課金に分け、円での試算と、小さく試す時の上限の置き方を紹介しました。1回の料金は仕事の重さで150円から1,000円を超えるまで変わり、3人で月120回使うと、月18,000円から180,000円まで幅が出ます。
従量課金の請求が読めないうちは、2人・2週間・1万クレジットのように枠を決めて試し、/costで測った自社の数字で予算を組み直すのが近道です。まずは会議の後の整理のような、出来上がる物がはっきりした業務を1つ選んでください。
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