はじめに
商品の紹介動画や社内向けの説明動画を作りたいのに、撮影と編集の手間を考えて後回しにしていないでしょうか。AIで動画を作れると聞いても、広告に使ってよいのか、社内の資料を入れてよいのかが分からず、試す前に止まっている担当者の方もいるはずです。
本記事では、2026年10月27日に公開されたGensparkの動画の機能、Genspark Media Studioについて、紹介スライドから説明動画と広告を作る手順と、1本の費用の決まり方をまとめます。会社で使う前に確かめる商用利用とデータの扱いも扱います。スマートエイトは、Gensparkを全社に配った会社で、受講者が手を動かす研修を行ってきました。
結論を先に書きます。動画は脚本と絵コンテを決めてから映像に進め、費用は作る前に出る見積もりで判断します。会社で使うなら、有料のプランで商用利用の保証の期限を確かめ、AIで作ったと分かる形で公開し、学習と共有の設定を先にそろえます。
本記事は2026年10月28日時点のGensparkの発表・ヘルプ・利用規約をもとにしています。料金はドル建てで、税は別にかかります。
Genspark Media Studioとは何か|文章で頼むと、脚本から字幕まで仕上げる
Genspark Media Studio、日本語の案内でいうメディアスタジオは、作りたい動画を文章で伝えると、脚本・絵コンテ・映像・音声・編集・字幕の6つの工程をAIが受け持つGensparkの機能です。映像の断片を渡して終わりにせず、編集と字幕まで整えた完成品として書き出します。

どんな動画を作れるのか
15秒の広告も、10分のショートドラマも作れます。商品の広告、資料をもとにした説明動画、長い対談の切り抜き、発表者が話す動画を、同じ画面で作ります。
短編映画や広告、音楽の映像まで、157のジャンルとスタイルを1回の操作で当てはめられます。映像・画像・音声は、十数社のモデルの中から、用途に合うものをAIが選んで使います。
以前の動画・音声・音楽を作る機能は、メディアスタジオにまとめられました。前に作ったプロジェクトは、元の画面に残ります。資料やスライドなど、Gensparkのほかの機能はGensparkでできることと強みで整理しています。
作り直しを減らす仕組みは何か
AIの動画は、作り直すたびに*クレジットを使い、時間もかかります。そこでAIは、映像を描き出す前に、コンセプト・脚本・絵コンテ・予算を利用者と決めてから進みます。
人物がぶれる問題には、*ストーリーバイブルで備えます。人物の顔・衣装・声と世界観を固定し、シーンが変わっても同じ人物で続けられます。同じ人物や商品が3カットを超えて出る動画なら、先に作っておくと、作品全体の作り直しを防げます。
途中の確認は、すべて会話に戻ってきます。気に入らない所は、映像のコマに丸を付け、どう変えたいかを書けば直せます。
*クレジット:Gensparkの利用量の単位。プランごとに毎月付き、映像や音声を作るたびに減る。
*ストーリーバイブル:動画の人物・衣装・声・世界観を、参考の画像と一緒に固定する機能。付けたプロジェクトでは、AIがそれを元に映像を作る。
社内・広告の動画はどう作るか|紹介スライドから60秒と15秒の2本を作る
ここからは、新しいサービスの紹介スライド10枚ほどから、商談の最初に流す60秒の説明動画を作り、それを縦長の15秒の広告に縮める流れで進めます。社内向けの動画も広告も、同じ素材から作れます。

社内の説明動画は、スライドから作れるのか
作れます。*AIスライドで作った資料は、1ページずつ動きのある場面にし、ナレーションを付けた動画にできます。ナレーションは、スライドの発表者用のノートを読み上げます。
手元の資料やWebページのリンクを渡して、説明動画にすることもできます。新しく入った社員向けの案内や研修の資料なら、1つの問いに答える60秒ほどの動画から始めると、長さと中身を決めやすくなります。
1本につなげられる長さは20分までで、それより長い物は分けて作ります。紹介スライドそのものの作り方は、Gensparkで資料作成する方法でまとめています。
頼むときは、何を書けばいいのか
頼む文には、見る人・答える問い・使ってよい材料・声と字幕の4つを書きます。紹介スライドを説明動画にするなら、次のように頼みます。
添付したスライド「新サービスのご紹介」を、商談の最初に流す60秒の説明動画にしてください。
見る人:初めて当社の話を聞く取引先の担当者
答える問い:このサービスで、どの作業がどれだけ短くなるのか
材料:数字と事例は、スライドにある物だけを使う
声と字幕:落ち着いた声のナレーション。画面に字幕を入れ、章の間に短い題を入れる送ると、多くの場合、AIが先に長さ・言語・スタイル・参考の素材をまとめて聞いてきます。気になる所だけ答えれば、残りは既定の値で進みます。この1回の答えは、できた動画を作り直すより安く済みます。
広告の版は、どの順で作ればいいのか
広告の版は、映像を作る前に、静止画か絵コンテで中身を決めます。費用を抑える作る順番は、最初の質問に答える、商品の写真やロゴを参考につなぐ、静止画か絵コンテを決める、映像を作って編集する、の4つです。
頼む文には「縦長の15秒。最初の2秒でサービスの画面を見せ、最後はロゴと相談の一言で終える。画面の写真は添付のまま変えない」のように、長さ・始めと終わり・変えない物を書きます。60秒の版の絵コンテと素材を参考につなげば、言い直さなくても同じ見た目で作れます。
日本語のナレーションを付けるなら、社名・商品名・数字の読み方を、15秒ほどの試しの1本で聞いてから長い版に進めます。字幕の書体は中国語の簡体字向けと英字向けの5つから選ぶ形なので、書き出した後に漢字の形と改行の位置を目で確かめます。
*AIスライド:Gensparkでスライドを作る機能。テーマを伝えると、構成からデザインまでを一式で作る。
1本の費用はどう決まるか|クレジットの見積もりと作り直しの費用
メディアスタジオの費用は、1本いくらと決まっていません。映像・音声・3Dを作るたびにクレジットが減り、その量は使うモデル・解像度・長さ・本数で変わります。作る前に見積もりが出るため、その数字を見て進めるかを決めます。

どのプランで使うのか
会社で使うなら、商用利用が特典に入るプラス・プロ・チーム・エンタープライズのどれかが前提です。
プラン | 料金 | 毎月のクレジット |
|---|---|---|
フリー | 0ドル | 1日100。使える総量に上限あり |
プラス | 年払いで月19.99ドル、月払いで24.99ドル | 10,000から |
プロ | 年払いで月199.99ドル、月払いで249.99ドル | 125,000から |
チーム | 1人あたり月40ドル | 1人10,000 |
エンタープライズ | 個別に見積もり | 1人20,000から |
チームプランは2人から150人までで使え、クレジットは1人ずつに付いて翌月に繰り越せません。足りない分は、10,000クレジットを45ドルで買い足せます。
1本の費用は、どこで分かるのか
映像を作る前の画面に、使うクレジットの見積もりが約200のように出ます。AIが費用をかけてよいか迷う時は、実行のボタン付きの下書きを置き、押すまで費用はかかりません。
企画を受け持つモデルは、*スタンダード・ウルトラ・メガの3段階から選びます。上の段階ほどクレジットを多く使い、メガはウルトラの2倍です。まずは既定のスタンダードで作り、場面の順番や人物のつながりが崩れる時だけ上げます。
プラスとプロでは、スタンダードで作る企画と標準の画質の画像を、週ごとの無料枠でまかなえます。映像・音声・3Dは、どの段階でもクレジットを使います。失敗した分は戻りますが、できた物を使わなくても費用はかかり、作り直しは元と同じ量を使います。
試しの1本で、何を記録すればいいのか
2-2の60秒の説明動画を1本作り、作り直しも含めて、使える1本ができるまでのクレジットを記録します。使った量は、クレジットの使用状況の画面で、メディアスタジオの分だけを見られます。
2026年11月4日19時までは、プラス・プロ・チーム・エンタープライズで、メディアスタジオのクレジットの消費が半分です。この間に試した場合は、記録した量を2倍にすると、割引の後に同じ動画を作った時の量になります。
比べるのは、作り直した分と、人が見て直した時間まで含めた、使えた1本あたりの費用です。この1本あたりを、外注した時の費用や、手で作った時の時間と並べます。比べ方は、生成AIの費用対効果を測る4つの問いで解説しています。
*スタンダード・ウルトラ・メガ:メディアスタジオで企画を受け持つモデルの段階。上の段階ほど込み入った企画に強い。ウルトラとメガはAnthropicのClaudeを使う。
会社で安全に使うには何を確かめるか|商用利用・公開の表示・データの扱い
広告や社外の資料に使う前と、社内の資料を入れる前に、確かめることは4つあります。プランの商用利用の保証、公開する時の表示、人物と他社の素材の扱い、入れる資料と共有の範囲です。
商用利用は、どのプランで保証されているのか
AIで作った物を、顧客向けの仕事・納品物・Webサイト・広告に使える商用利用を特典として保証しているのは、プラス・プロ・チーム・エンタープライズの4つです。今の利用規約は商用利用を有料のプランに限っていませんが、将来は限る場合があるとしているため、会社で使う動画はこの4つのどれかで作ります。
保証の期限は、プランで違います。プラスとプロは2027年6月30日まで、チームプランは2026年12月31日までで、エンタープライズは注文書で決まります。保証の期限より後も広告に使う動画は、期限が来る前に、その時の条件を確かめ直します。
作った物は利用者の物になりますが、モデルを出している会社の規約とプランの条件がかかります。自社の商品やブランドの広告をまとめて作る前には、使うモデルのライセンスの注記を見ます。他人の権利を侵していないかを確かめる責任は、使う会社にあります。
社外に出す時の表示と、人物・他社の素材は、どう扱うのか
Gensparkで作った物を公開する時は、出どころと作り方をはっきり示す決まりがあります。広告やSNSに出す動画は、説明文に「AIで制作」と添えるなど、AIで作ったと分かる形にします。
実在の人や会社になりすます動画は、利用規約で禁じられています。チームプランの契約では、本人の同意がない人物の画像も扱えません。
ホーム画面には、うまくいった動画の構成やテンポを借りて作り直す型もあります。この型には、他社の広告ではなく、自社で権利を持つ動画を入れます。
入れる資料と共有の範囲は、どう決めるのか
チームとエンタープライズは、会社の内容をモデルの学習に使わない扱いが自動で入ります。個人のプランでは、設定のデータ管理にある*AIデータ保持をオフにすると、会話が学習に使われません。メガはAIデータ保持をオンにしないと選べないため、社内の資料を扱う動画はウルトラまでで作ります。
企画の段階は、既定のスタンダードが*DeepSeekのモデル、ウルトラとメガがAnthropicのClaudeです。社内で使ってよいAIの会社を決めている場合は、企画の段階と、次に書く映像の送り先の両方を、その決まりと照らします。
映像を作る時は、頼む文と参考の画像が、映像を作る会社のモデルへ送られます。チームプランでは、Gensparkとデータの取り扱いの契約を結ぶまで、個人の情報を入れない決まりです。社員の顔写真も個人の情報に入るため、話す動画を作る時は、契約を結んでから本人の同意を取って作ります。
共有のリンクは、初めはプロジェクト全体が見える設定で、会話・作った物を並べるボード・素材がすべて開きます。確認を頼む時は、見せる範囲を完成した動画だけにし、開ける人を組織の中の人に絞ります。
*AIデータ保持:会話のデータをAIの改善に使うかどうかを決めるGensparkの設定。オフにすると、会話はモデルの学習に使われない。
*DeepSeek:中国のAI企業と、その会社が開発する言語のモデル。メディアスタジオでは、既定の段階の企画に使われる。
よくある質問|Genspark Media Studioについて
日本語で頼めますか?
頼めます。AIは多くの言語で頼む文を読み、日本語のヘルプの例文も日本語で並んでいます。ホームの「インスピレーションを得る」に並ぶ作品の頼む文が英語なのは、その作品を英語で頼んで作ったためです。
会社でメディアスタジオを使わせない設定はありますか?
あります。組織の管理者は、機能の設定でメディアスタジオを止められます。止めると、社員がメディアスタジオを開いた時に、組織で無効になっていると表示されます。3Dで構図を決める画面も、同じ切り替えで止まります。
PremiereやCapCutで仕上げられますか?
仕上げられます。編集の画面から、Premiere用のプロジェクトとCapCut用の下書きを書き出せます。メディアスタジオの中で書き出す完成品は毎秒30コマのmp4で、解像度や形式は選べません。決まった解像度で納める広告や、会社の書体で字幕を付け直す動画は、この書き出しで編集ソフトに渡して仕上げます。
さいごに
Gensparkのメディアスタジオは、文章で頼むと、脚本から字幕までを仕上げる動画の機能です。脚本と絵コンテを決めてから映像に進む流れと、作る前に出る見積もりで、作り直しと費用を抑えられます。
会社で使うなら、商用利用が特典として保証された有料のプランで期限を確かめ、AIで作ったと分かる形で公開し、学習と共有の設定をそろえてから社員に案内します。最初の1本は、手元の紹介スライドから60秒の説明動画を作り、使ったクレジットを記録するところから始めてください。11月4日19時までなら、消費は半分で済みます。
AIで作った物を社外に出すほど、誰がどこを確かめるかの決め方が仕上がりを左右します。スマートエイトの生成AI研修では、Gensparkのような道具で作った物を社外に出す前の確かめ方を、受講する方の業務に合わせて決めていきます。
※生成AI研修資料/導入事例も無料ダウンロードいただけます。




