はじめに

Geminiの無料版を使っていて、10月に入ってから答えが変わった、制限が厳しくなったと感じていないでしょうか。仕事の下書きに無料のGeminiを使っている人ほど、何が変わったのか、有料にすれば元に戻るのかが気になるものです。

本記事では、Googleが2026年10月9日に始めた無料版のモデルの変更を受けて、何が変わったのか、有料のプランや会社の契約では何が違うのかを解説します。スマートエイトは法人向けの生成AI研修で、会社で契約したGeminiと個人のGeminiの使い分けを扱っています。

結論を先に書くと、10月9日から、有料のプランを契約していない個人のアカウントのGeminiは、ほとんどの質問を最も速くて軽いFlash-Liteで答えるようになりました。無料版がなくなったわけではなく、深い推論が要る質問はFlashやProに回ることがあります。

使える量の上限は、5時間ごとに戻り週の上限まで続く、5月からの仕組みのままです。回数が減ったと感じるなら、重い使い方が増えていないかと、残りの量を2章で確かめます。

有料のプランにすると上限と一度に読める長さは広がりますが、Proのモデルを使えるのは月2,900円のプランからで、月725円のプランでは、変更が当てはまると使えなくなります。会話の扱いは、どの有料のプランでも個人のアカウントのままです。

会社の情報を入れて仕事に使うなら、会社で契約するGoogle WorkspaceのGeminiに寄せることを考えます。

本記事は2026年10月28日時点のGoogleの公式ヘルプと料金ページをもとにしました。対象は個人のアカウントで使うGeminiアプリで、会社の契約で使うGeminiは3章で分けて扱います。

Gemini無料版の制限は何が変わったか|10月9日からFlash-Lite中心に

10月9日に変わったのは、無料版の答えをどのモデルが作るかです。使える量の上限の仕組みではなく、答えを作るAIの種類が入れ替わりました。

10月9日からの、有料のプランを契約していない個人のアカウントのGeminiの答え方を示す図。質問はGeminiが「自動」で振り分け、ほとんどの質問は最も速いFlash-Liteが答え、深い推論が要る質問だけがFlashかProに回ることがある。モデルの自動選択がオフだと、すべての答えがFlash-Liteになる

無料版の答えは、ほとんどFlash-Liteが作る

Googleは2026年10月から、個人のアカウントで使うGeminiアプリのモデルの割り当てを変えました。有料の*Google AIプランを契約していない人には、10月9日から当てはまっています。

プランなしの人の既定の設定は「自動」で、Geminiが質問ごとにモデルを選びます。ほとんどの質問は最も速い*Flash-Liteが答え、深い推論が要る質問はFlashかProに回ることがあります。

モデルの自動選択がオフになっていると、プランなしの人の答えはすべてFlash-Liteになります。込み入った依頼をすることがあるなら、自動のままにしておくと、FlashやProに回る余地を残せます。

例えば、総務の担当者が、個人のGmailのアカウントで開いた無料のGeminiに社内規程のPDFを読ませ、社員向けの案内文の下書きを作っているとします。この依頼にどのモデルが答えるかも、10月9日からは質問ごとに自動で決まります。

変更が当てはまった後は、AI PlusでProを使えない

変更の後にプランごとに使えるモデルは、次のとおりです。

プラン

Flash-Lite

Flash

Pro

プランなし

自動で選ばれる

自動で選ばれる

自動で選ばれる

AI Plus

使える

使える

使えない

AI Pro

使える

使える

使える

AI Ultra

使える

使える

使える

AI Plusの人には、この変更がいつから当てはまるかを、Googleがメールで知らせるとしています。変更が当てはまった後は、月額のプランを契約していても、Proを使えるのはAI Pro以上の人だけです。

*Google AIプラン:個人のアカウントで契約する、Geminiの有料プラン。Plus・Pro・Ultraの3つがあり、上位ほど使える量が多い。 *Flash-Lite:Geminiのモデルのうち、最も速く答える軽いモデル。上位にFlashとProがあり、深い推論が要る質問はこちらに回る。

使える量の上限はどう決まるか|5時間ごとに戻り、週の上限まで

使える量の上限は、10月9日の変更ではなく、5月から続く仕組みのままです。決まった回数があるのではなく、質問の重さで使う量が変わります。

Geminiアプリの使える量の上限の仕組みを示す図。短い質問は軽く、長いチャットや長い資料の読み込みは中くらい、Deep Researchや動画の生成は重い。使った量は5時間の枠から引かれ、枠は5時間ごとに戻り、週の上限に達するまで繰り返す

上限は回数ではなく、使った計算の量で決まる

Geminiアプリの上限は、2026年5月17日から使った計算の量で決まる形に変わりました。上限は5時間ごとに戻り、週の上限に達するまで、この繰り返しが続きます。

使う量は、質問の込み入り具合、使った機能、チャットの長さで変わります。プランごとの上限は、プランなしを「標準」として、AI Plusが2倍、AI Proが4倍、AI UltraはAI Proの5倍か20倍です。

5月から変わっていないのは、この仕組みです。上限の量そのものは予告なく見直されることがあり、見直しはプランなしの人から先に当てはまることがあります。残りの量の確かめ方は、5-2にまとめています。

重い使い方ほど、上限に早く届く

Googleは使い方ごとの重さの目安を示しており、軽い順に並べると次のようになります。

  • 短い1回の質問は、とても軽い
  • 何度も直しながら続ける長いチャットと、長い資料の読み込みは、中くらい
  • *Deep Researchと動画の生成は、重い

ほかにも、画像や音楽の生成、Proのモデル、時間をかけて考えさせる機能も、使う量が多い側です。プランなしの人は、需要が高い時期に、Deep Researchのような重い機能を使えないことがあります。

無料版が一度に読める長さは32,000トークン

上限とは別に、一度に読める長さにもプランの差があります。プランなしは32,000*トークン、AI Plusは128,000トークン、AI ProとAI Ultraは100万トークンです。

1章の総務の担当者のように長い規程のPDFを読ませると、この長さを超えることがあります。超えると、規程の一部を踏まえないまま、案内文の下書きが返ってくることがあります。

*Deep Research:Geminiが多くのWebページを調べ、何段階も考えたうえで、長い報告書にまとめる機能。使う量が多い。 *トークン:AIが文章を読むときの単位。一度に読める長さはこの数で決まり、多いほど長い資料を一度に読める。

有料版・法人版では何が違うか|Google AIプランとWorkspaceのGemini

無料版より広く使う道は、個人で有料のGoogle AIプランを契約するか、会社で契約する*Google WorkspaceのGeminiを使うかの2つです。

本記事では、WorkspaceのうちBusiness StarterやBusiness Standardなど、多くの*エディションで使うGeminiを法人版と呼びます。上限とモデルは契約の種類で変わりますが、会話の扱いが変わるのは法人版だけです。

Geminiを会話の扱いで3つに分けた図。個人のアカウントの無料版と、有料のGoogle AIプランは、上限とモデルはプランで広がるが、会話の扱いは個人のアカウントの決まりで同じ。会社で契約するGoogle Workspaceのうち、Business Starterなど多くのエディションで使う法人版だけが、会話を人の確認やAIの改良に使わない扱いになる

Google AIプランは月額725円から、上限は2倍から

日本の料金は、AI Plusが月額725円、AI Proが2,900円です。AI Ultraは、使える量の違いで14,500円と32,000円の2つがあります。

プラン

月額

使える量の上限

一度に読める長さ

プランなし

0円

標準

32,000トークン

AI Plus

725円

標準の2倍

128,000トークン

AI Pro

2,900円

標準の4倍

100万トークン

AI Ultra

14,500円か32,000円

AI Proの5倍か20倍

100万トークン

Google AIプランに申し込めるのは個人のGoogleアカウントだけで、会社のWorkspaceのアカウントには付けられません。

有料にしても、会話の扱いは個人のアカウントのまま

個人のアカウントでは、Googleが会話の一部を人の目で確かめ、AIの改良にも使うことがあります。Google AIプランは個人のアカウントで契約するため、有料にしても、この扱いは個人のアカウントの決まりのままです。

1章の総務の担当者がAI Plusに切り替えると、長い規程のPDFは読み込みやすくなります。ただ、社内規程を個人のアカウントのGeminiに入れている点は変わりません。個人のアカウントで会話を改良に使わせない設定は、Geminiアクティビティはオフにした方が良いかで解説しています。

法人版は、会話を人の確認やAIの改良に使わない

法人版では、Geminiのチャットとアップロードしたファイルを人が確かめたり、AIの改良に使ったりしません。無料のEssentials Starterなど一部のエディションでは、会話の扱いが個人のアカウントと同じになるため、自社の契約の種類を先に確かめます。

上限は、10月9日の変更とは別に、管理者向けのヘルプの表でエディションごとに決まっています。

  • Business Standard・Plus、Enterprise Standard・Plusは、Proのモデルを4時間ごとに25件まで使え、一度に読める長さは100万トークンです
  • Business Starterなどは、Proのモデルが基本の利用にとどまって1日の上限が頻繁に変わり、一度に読める長さは32,000トークンです

Business Starterは一度に読める長さが無料版と変わらず、法人版にする一番の違いは、使える量よりも会話の扱いにあります。

*Google Workspace:GmailやドライブなどのGoogleのサービスを、会社でまとめて契約する仕組み。管理者が社員のアカウントと設定を管理する。 *エディション:Workspaceの契約の種類。会社の規模や要る機能で選び、種類によってGeminiで使える量も変わる。

会社で無料版を使っている時に確かめること|3つの確認

10月9日の変更で、個人の無料アカウントで仕事をしていた社員が、答えの変化に気づくことがあります。会社にとっては、誰が何をどのGeminiに入れているかを見直す機会です。

会社で無料版のGeminiが使われている時に確かめる3つを並べた図。1つ目は誰がどのアカウントで使っているかで、プロフィール写真かイニシャルを押してメールアドレスを見る。2つ目は個人のGeminiに何を入れているかで、社外に出さない情報が入っていないかを見る。3つ目は会社の契約のどこに寄せるかで、長い資料やProのモデルを使うならBusiness Standard以上を考える

誰が、どのアカウントでGeminiを使っているか

まず、仕事でGeminiを使っている社員が、会社のWorkspaceのアカウントで開いているのか、個人のGmailのアカウントで開いているのかを確かめます。Geminiの画面で、自分のプロフィール写真かイニシャルを押すと、使っているアカウントのメールアドレスが出ます。

会社でWorkspaceを契約していても、ブラウザに個人のアカウントでログインしたままGeminiを開けば、個人のアカウントの扱いになります。答えが変わったと言う社員がいたら、まずこの画面を一緒に見ます。

個人のGeminiに、何を入れているか

次に、個人のアカウントのGeminiに入れている情報を確かめます。1章の総務の担当者の社内規程のように、社外に出さない情報が入っていれば、人の確認やAIの改良に使われることがある場所に置いていることになります。

取引先の名前や社員の個人情報を、すでに入れてしまっていることもあります。その場合の手順は、Geminiに個人情報を入れてしまった時の手順にまとめています。

会社の契約のどこに寄せるか

最後に、仕事で使う量に合う会社の契約を考えます。長い規程や資料を読ませる、Proのモデルを日ごろから使うといった使い方なら、Business Standard以上が候補になります。短い文の下書きが中心なら、Business Starterでも、会話の扱いでは法人版の利点を得られます。

上のエディションに上げる差額が見合うかは、総務の案内文のように、今の無料版で片付いている下書きが週に何件あり、直すのに何分かかっているかを数えて決めます。数え方は、生成AIの費用対効果を測る4つの問いにまとめています。

社員に無料版から移ってもらうには、禁止を伝えるより先に、会社のGeminiでやってよい仕事を示します。

よくある質問|Gemini無料版の制限について

Geminiの無料版は、いつまで使えますか?

10月9日の変更は、無料で使えるモデルの割り当てを変えたもので、無料版をなくすものではありません。変更の後の表でも、プランなしの人は「自動」でGeminiを使えます。

ただし、2章で見たとおり、上限の量はプランなしの人から先に見直されることがあります。仕事の手順に無料版を組み込んでいるなら、上限が下がっても仕事が止まらないよう、会社の契約に移す道も用意しておきます。

上限までの残りは、どこで確かめられますか?

パソコンのブラウザでgemini.google.comを開き、左下の設定から使用量上限を選ぶと確かめられます。上限に近づくと画面に知らせが出て、上限に達すると、いつ戻るかが知らせに表示されます。

有料のプランで上限に達したら、使えなくなりますか?

使えなくはなりません。Google AIプランを契約している人は、上限に達してもFlash-Liteで会話を続けられます。上位のモデルで続けたい時は、上限が戻るのを待つか、上のプランに切り替えます。

無料版で、画像や動画は作れますか?

画像と音楽の生成は、プランなしでも使えます。動画の生成と、画像を上位のモデルで作り直す機能は、AI Plus以上の機能です。画像や音楽の生成は使う量が多いため、無料版では上限に早く届きます。

さいごに

本記事では、2026年10月9日からのGemini無料版の変更と、有料のプランや会社の契約のGeminiとの違いを解説しました。無料版はなくなっておらず、答えるモデルがFlash-Lite中心になり、使える量は5時間ごとに戻る上限の中で決まります。

有料のプランで広がるのは上限と一度に読める長さで、上のモデルまで使えるのは月2,900円のプランからです。会話の扱いは、個人のアカウントのままです。

社員が個人の無料アカウントで仕事をしているなら、誰が何を入れているかを確かめ、会社の契約で使う場所を用意するのが次の一歩です。

スマートエイトの生成AI研修では、会社のGeminiに入れてよい情報の線を最初に受講者と確かめ、そのうえで受講者の実際の業務を題材に演習します。

※生成AI研修資料/導入事例も無料ダウンロードいただけます。