はじめに
ChatGPTに議事録を作らせてみたら、要点はきれいにまとまったのに、肝心の「誰がいつまでに何をやるか」が抜けていた、という経験はないでしょうか。議事録の価値は、会議の後に誰かが動くかどうかで決まります。
本記事では、ChatGPTで議事録を作る方法を、録音・書き起こし・メモの3つの入口から解説します。そのうえで、担当者ごとのToDoと期限を取り逃さずに抜き出す頼み方まで扱います。スマートエイトは、毎朝、議事録から自分が担当するToDoと期限を抜き出して1画面に並べる運用を続けています。
結論を先に書きます。議事録は、決まったことと、次にやることを分けて書かせます。次にやることは担当・内容・期限の表にし、「明日」「来週」は会議の日を基準に日付へ直させます。最後に、抜き出した件数を数えて、取り逃しが無いかを確かめます。
本記事は、2026年10月18日時点のOpenAIのヘルプをもとにしています。録音の機能など、プランや端末で使えるかが分かれる機能は、手元の画面でも確かめてください。
ChatGPTで議事録を作る3つの入口|録音・書き起こし・メモ
ChatGPTで議事録を作るときの材料は、録音、会議ツールの書き起こし、手元のメモの3つです。どれを使っても、ChatGPTに渡した後の頼み方は同じです。

Macのアプリなら、録音から議事録を作れます
ChatGPTには、会議や音声メモを録音して書き起こし、要約まで作る録音の機能があります。使えるのは、MacのデスクトップアプリのPlus・Pro・Business・Enterprise・Eduです。EnterpriseとEduでは最初は止まっていて、ワークスペースのオーナーが有効にしてから使えます。
録音を止めて送ると、書き起こしと要約がチャットに届き、要約はキャンバス*として履歴に残ります。この要約をもとに「ここから議事録を作って」と続けて頼めるため、議事録を自動で作る流れに近い使い方ができます。
会議ツールの書き起こしを貼るのが、いちばん使いやすい入口です
Zoom・Teams・Google Meetなどの会議ツールで書き起こしを残しているなら、それをChatGPTに貼るのが手軽です。端末やプランを選ばず、Windowsのパソコンでも同じ手順で使えます。
書き起こしには「えー」「あの」のような言葉や言い直しが混ざります。ChatGPTはそれを除いて読めるため、書き起こしを先に整える必要はありません。
手書きや打ち込みのメモからも作れます
録音できない会議でも、手元のメモから議事録を作れます。メモは箇条書きの走り書きで構いません。ただし、メモに書いていないことは議事録にも出てこないため、担当と期限だけは会議の場でメモに残しておきます。
入口 | 渡す物 | 向く場面 | 気をつけること |
|---|---|---|---|
録音の機能 | 会議の音声 | 対面の会議・音声メモ | Macのアプリと有料のプランが要る |
書き起こしを貼る | 会議ツールの書き起こし | オンラインの会議 | 長い会議は分けて渡す |
メモから作る | 箇条書きのメモ | 録音できない会議 | 担当と期限をメモに残す |
*キャンバス:ChatGPTの中で、文書を開いたまま書き直しを重ねられる編集の画面。録音の要約はここに保存される。
ChatGPTの議事録プロンプト|決まったこととToDoを分けて書かせる
ChatGPTに「議事録にして」とだけ頼むと、会議の流れに沿った要約が返ってきます。要約は読みやすいものの、誰が何をするかが本文に埋もれてしまいます。決まったことと次にやることを、別の見出しで書かせるのが基本です。

議事録を作る基本のプロンプト
取引先との打ち合わせの書き起こしから議事録を作る例です。会議の日付を最初に書いておくのが、後で期限を直すための大事な一行です。
これは2026年10月14日(火)に行った、取引先との打ち合わせの書き起こしです。
次の形で議事録を作ってください。
1. 決まったこと
箇条書きで。決まっていないことは書かない。
2. 当社がやること
担当・内容・期限・書き起こしでの言い方 の表で。
3. 相手がやること
担当・内容・期限・書き起こしでの言い方 の表で。
4. 決まらなかったこと
次回に持ち越す論点を箇条書きで。
【決まり】
・「明日」「来週中」「月末」は、会議の日を基準に日付へ直す
・担当や期限が書き起こしから分からないときは「不明」と書く
・書き起こしに無いことは足さない
【書き起こし】
(ここに貼る)ToDoは「当社がやること」と「相手がやること」に分けます
ToDoを1つの表にまとめると、相手が約束したことまで自分の宿題のように並びます。「資料を当社に送ります」は相手が動く件で、当社は届くのを待つ側です。表を2つに分けておけば、自分の宿題と、相手に催促する件が混ざりません。
期限は、会議の日を基準に日付へ直させます
書き起こしの期限は、「明日」「来週の頭」「月末まで」のような言い方がほとんどです。そのまま表に入れると、1週間後に読み返したとき、いつのことか分かりません。会議の日付をプロンプトに書き、10月14日の会議の「明日」なら10月15日と直させたうえで、元の言い方も横に残させます。
毎朝ToDoを抜き出して分かったこと|取り逃しの事故と直し方
スマートエイトは、議事録からToDoを抜き出す作業を、毎朝の決まった手順にしています。社内の仕組みで回している運用ですが、そこで分かった決まりは、ChatGPTに頼むときにもそのまま使えます。

毎朝、議事録から自分のToDoと期限を1画面に並べています
商談や打ち合わせの議事録は、議事録ツールに溜まっていきます。毎朝、そこから自分が担当のToDoを取り出し、期限が過ぎたものと7日以内のものだけを1件1行で並べ、残りは件数だけを出しています。1行に書くのは、期限・やること・どの会議で出た件か・ToDoの番号の4つです。
期限は、議事録の決まった欄には入っていません。本文から拾い、「明日」のような言い方はその会議の日を基準に日付へ直しています。8月6日の会議の「明日」なら8月7日、と直した根拠も横に書きます。
4件を取り逃した日がありました
運用を組み直した日に、議事録のToDoを途中までしか読み込んでいなかったことがあります。4件が画面から抜けていたのに、その日の画面は正しく見えていました。抜けた4件が、たまたま完了済みで画面から外す予定の件だったためです。
読み込みの抜けと、外す処理の2つの誤りが打ち消し合い、結果だけが合っていました。片方だけを直すと、かえって画面が崩れる状態です。見た目が正しいことは、取り逃しが無いことの証明にならない、と分かった事故でした。
件数の式で、取り逃しを毎朝確かめます
直したのは、毎朝の画面の先頭に、件数の式を出すことです。取り出した件数が、画面に出した件数と除いた件数の合計に一致するかを見ます。たとえば67件を取り出し、1行で並べた件と件数だけ出した件が合わせて63件、完了などで除いた件が4件なら、式は合っています。
ChatGPTに頼むときも、最後に「当社がやることと相手がやることの件数を、それぞれ数字で書いて」と添えます。書き起こしを読んで自分が覚えている約束の数と照らせば、抜けに気づけます。完了したToDoは、言葉の雰囲気で外さず、番号を指定して外すと決めています。議事録を残すだけで終わらせない考え方は、記録を行動に変える3つの手順でも整理しています。
会社でChatGPTの議事録を回す前に決めること|録音の同意・契約・最初の会議
ChatGPTの議事録を部署で使い始める前に、録音の同意の取り方、会社の会議を入れてよい契約、最初に試す会議の3つを決めておきます。

録音する前に、参加者の同意を取ります
OpenAIは録音の機能について、他人を録音するときは同意を取るよう求めています。会議の冒頭で「議事録のために録音します」と伝え、了承を得てから始めます。社外の人が入る会議では、相手の会社の決まりで断られることもあるため、そのときはメモから作ります。
会社の会議は、学習に使われない契約で扱います
ChatGPTのBusinessやEnterpriseは、入力した内容を既定で学習に使いません。個人向けのプランは、設定でオフにしない限り、会話が学習に使われることがあります。取引先の名前や金額が入る議事録は、会社の契約のアカウントで扱うと決めておきます。
最初は、議事録づくりに時間を取られている会議から始めます
スマートエイトが商談で聞いた手作業を集計すると、報告書や提案書などの書類づくりを手作業に挙げた会社のうち、約1割が議事録や面談の記録でした。ある人材紹介の会社では、面談の準備から記録のまとめまで、全部を手で打ち込み、1人あたり約3時間かけていました。
最初に試すのは、こうした記録づくりに時間がかかっている会議です。1か月続けたら、議事録を作っていた時間と、ToDoの取り逃しが減ったかを数えます。効果の数え方は、生成AIの費用対効果を測る4つの問いで整理しています。
よくある質問|ChatGPTで議事録を作るときに迷う点
無料版のChatGPTでも、議事録は作れますか?
作れます。会議ツールの書き起こしやメモを貼り付ければ、無料版でも同じプロンプトで議事録とToDoの表を作れます。録音の機能は有料のプランで使う機能です。会社の会議を扱うときは、4-2の通り、会社の契約のアカウントを使います。
長い会議の書き起こしが、一度に入りきらないときは?
前半と後半のように分けて渡し、それぞれで決まったこととToDoの表を作らせます。最後に両方の表を貼って1つにまとめさせ、件数が前半と後半の合計と合っているかを確かめます。分けた分だけ取り逃しが起きやすいため、件数の確認は省きません。
抜き出したToDoを、そのままタスク管理に入れてよいですか?
担当と期限の2列だけは、人が確かめてから入れます。「不明」と書かれた行は、会議の参加者に確かめてから担当を決めます。担当を取り違えたToDoは、だれも手を付けないまま期限を迎えるためです。
さいごに
本記事では、ChatGPTで議事録を作る方法を、録音・書き起こし・メモの3つの入口と、担当者ごとのToDoと期限を抜き出す頼み方から解説しました。決まったことと次にやることを分け、次にやることは当社と相手の2つの表にし、期限は会議の日を基準に日付へ直させます。
議事録づくりで本当に困るのは、要約の出来よりも、ToDoの取り逃しです。抜き出した件数を数えて確かめる一行を、プロンプトの最後に足すところから始めてください。
スマートエイトの生成AI研修では、受講者の実際の会議を題材に、議事録からToDoを抜き出して仕事を回す手順を演習しています。
どの業務から手を付けるかで迷っている場合は、AIに任せられる業務が分かる無料診断から始めてください。3分で終わり、登録もメールアドレスも要りません。 ※生成AI研修資料/導入事例も無料ダウンロードいただけます。
ChatGPTで議事録とToDoを回す手順は、スマートエイトの生成AI研修でハンズオン形式で扱っています → 生成AI研修の詳細




