はじめに

ChatGPTのDeep Researchに調べ物を頼んだのに、返ってきたレポートが長いだけで、知りたかった答えが見つからなかった経験はないでしょうか。待ち時間が長い分、外れたときの手戻りも大きくなります。

本記事では、ChatGPT Deep Researchの使い方を、始め方と調べる範囲の決め方から解説します。スマートエイトは社内の調べ物をAIに任せる手順を決めて運用しており、その中で「AIに任せる部分」と「人が集める部分」を分けてきました。

先に答えを言うと、Deep Researchは、頼む前に目的・論点・仮説を書いておくと外れにくくなります。そのうえで、競合の情報のように見つけにくい物は人が集めて渡し、AIには読んで比べる作業を任せるのが確実です。

本記事は2026年10月18日時点のOpenAIの公式ヘルプをもとにしています。使える回数や対象の国は契約しているプランで変わるため、画面の表示もあわせて確かめてください。

ChatGPT Deep Researchとは|普通の検索との違いと、時間がかかる理由

Deep Researchは、ChatGPTが自分で調べる手順を組み、多くの情報源を読んで、出典付きのレポートにまとめる機能です。短い答えを返す検索とは、使いどころが違います。

ChatGPT Deep Researchの流れを示した図。目的を書く、調べる元を選ぶ、計画を確かめて直す、調べる、出典付きのレポートを受け取る、の5つの段階を順に並べている

検索は短い答え、Deep Researchは出典付きのレポートです

検索は、新しい情報を手早く拾って短くまとめ、リンクを添えて返します。Deep Researchは、多くの情報源を読んで分析し、出典付きのレポートにまとめます。

事実を1つ確かめたいだけなら、検索のほうが早く終わります。いくつもの情報を突き合わせて判断の材料を作りたいときが、Deep Researchの出番です。

1回に5〜30分かかり、その間は離れていられます

Deep Researchは、公開時の発表で5〜30分かかることがあるとされました。その間は画面を離れて別の作業をしてよく、終わると通知が届きます。

時間がかかるのは、多くの情報源を読み比べる作業を、裏側でまとめて行っているためです。急ぎの調べ物には向かないので、会議の前日など、待てる時間のある仕事から使い始めます。

使える回数はプランで決まり、画面で残りを確かめます

使える回数は、契約しているプランで変わります。画面に残りの回数が出るほか、月の上限が決まったプランでは、最初に使った日から30日ごとに回数が戻ります。

使えるかどうかは、プランと国や地域によっても変わります。会社で使う場合は、全員の回数が足りるかを、契約の前に担当者と確かめておきます。

ChatGPT Deep Researchの使い方|始め方と、調べる範囲の決め方

使い方で大事なのは、始め方よりも「どこを調べさせるか」と「始まる前の計画を確かめるか」の2つです。ここを押さえると、外れたレポートを待つ時間が減ります。

Deep Researchで選べる調べる元の3つを並べた図。ウェブ全体、指定したサイトだけに絞るか優先する、アップロードしたファイルとつないだアプリ、の3枚のカードに向いている場面を添えている

始め方は3つあります

Deep Researchは、次のどれかで始めます。

  • 入力欄に「/Deepresearch」と打つ
  • 入力欄の「+」のツールメニューからDeep researchを選ぶ
  • サイドバーのメニューからDeep researchを選ぶ

始めたら、知りたいことと、どんな形の結果が欲しいかを入力します。何を書くとよいかは、3章で詳しく扱います。

調べる元は、ウェブ・ファイル・つないだアプリから選びます

何も選ばなければ、公開されているウェブと、アップロードしたファイルが調べる元になります。プランや会社の設定によっては、文書の置き場など、つないだアプリの中身も読ませられます。

特定のサイトを中心に調べたいときは、入力欄の[Sites]から[Manage sites]を開きます。入力したサイトだけに絞るか、そのサイトを優先しつつウェブ全体も探すかを選べます。4章で扱う「人が集めた情報を渡す」使い方は、この機能と相性が良い方法です。

始まる前に、調べる計画を確かめて直します

依頼を送ると、ChatGPTが目的を確かめる質問をしたり、調べる計画の案を出したりします。この計画は、調べ始める前に確かめて直せます。

調べている間も進み具合を見られ、いつでも止めて、焦点や調べる元を直せます。仕上がったレポートは目次と使った情報源が付いた画面で開き、Markdown・Word・PDFで書き出せます。

任せる前に論点と仮説を書く|スマートエイトの調べ物の手順

Deep Researchのレポートが外れる原因の多くは、頼む側が「何を決めるための調べ物か」を書いていないことです。スマートエイトでは、調べ物をAIに任せる前に、目的・論点・仮説の3つを先に書く手順にしています。

調べ物をAIに任せる前に書く3つと、任せた後の2つの確かめを示した図。目的、論点、仮説を書いてから任せ、計画を論点と照らして直し、主張ごとに出典を開いて確かめる流れを並べている

頼む前に書くのは、目的・論点・仮説の3つです

1つ目の目的は、調べた結果で何を決めるのかです。2つ目の論点は、答えるべき問いを大きい物から小さい物の順に並べた物で、3つ目の仮説は、今の時点で考えている答えです。

この3つがあると、AIは「調べる範囲」と「どこを厚く調べるか」を決められます。仮説を書いておけば、それを支える情報と崩す情報の両方を集めてもらう頼み方もできます。

そのまま使える依頼文の型

スマートエイトの手順をDeep Research向けの依頼文にすると、次の型になります。カッコの中を差し替えて使ってください。

# 目的
〔この調べ物の結果で決めたいこと〕

# 論点
1. 〔大きい問い〕
   - 〔その下の小さい問い〕
   - 〔その下の小さい問い〕
2. 〔大きい問い〕

# 仮説
- 〔論点1について、今考えている答え〕
- 〔論点2について、今考えている答え〕

# 調べ方
- 仮説を支える情報と、崩す情報の両方を集める
- 数字には必ず出典を付け、出典の無い主張は「未確認」と書く
- 結果は、論点ごとに結論→根拠→出典の順でまとめる

たとえば目的に「来月の商談で出す、競合3社の料金の比較表を作る」と書けば、論点は「料金の体系はどうなっているか」「料金に何が含まれるか」に分かれます。仮説に「どこも人数ごとの料金だ」と書いておけば、それに当てはまらない会社を探す調べ方まで頼めます。

出てきた計画は論点で直し、結果は出典を開いて確かめます

依頼を送ると、Deep Researchが調べる計画の案を出します。スマートエイトの手順でも、調べ始める前に設計を確かめる関門を置いており、ここで論点から外れた項目を削ります。

レポートが届いたら、結論を支える主張と数字だけを選び、出典を1つずつ開いて確かめます。AIの資料をどこまでそのまま使えるかは、ChatGPTで資料作成をしたときの実測でも扱っています。

競合の情報は人が集める|Deep Researchが拾いにくいもの

Deep Researchに任せても、集まりにくい情報があります。スマートエイトは社内の会議で、この点を踏まえて人とAIの分担を決めてきました。

競合の情報を調べるときの人とAIの分担を示した図。人がどこが競合かを決めて原稿や資料を集め、Deep Researchが指定したサイトや資料を読んで比べ、最後に人が確かめる流れを並べている

社内の会議で5回出た判断

社内では、2025年7月から2026年8月までの会議で5回、同じ判断が出ています。ディープリサーチは見つけやすい物しか拾わないので、競合の情報は人が集める、という判断です。

検索で上位に出る情報や、多くのサイトが書いている情報は集まりやすい一方、業界の内側でしか知られていない動きは拾われにくくなります。OpenAIも公開時に、確かな情報と噂の見分けが苦手な場合があることを、弱点として挙げていました。

求人原稿の改善で決めた分担

この判断が具体的に出たのは、求人原稿の改善の手順を社内で詰めた会議です。今の原稿を良くするには、競合が出している原稿の訴求を調べる工程が要ります。

この工程をDeep Researchに任せるかを話し合い、「そもそもどこが競合か」はAIには決めにくい、という結論になりました。AIに探させて質が落ちるなら、競合の原稿3本のリンクは人が取ってくる形にする、と分担を決めています。

人が集めた資料を渡して、読む・比べるをAIに任せます

分担の形は、人が集めてAIが読む、です。どこが競合かを人が決め、競合の原稿や資料のリンクを集めて、2章の[Manage sites]で調べる元を絞るか、ファイルとして渡します。

AIには、集めた資料の訴求の違いを並べる、共通点と空白を探す、といった読む・比べる作業を任せます。人が集める時間とAIに任せる時間のどちらが見合うかは、生成AIの費用対効果を測る4つの問いで整理できます。

よくある質問|ChatGPT Deep Researchの時間と使い方について

Deep Researchの結果が出るまで、なぜ時間がかかるのですか?

多くの情報源を読み、比べ、レポートにまとめる作業を自動で行うためです。公開時の発表では5〜30分かかることがあるとされ、その間は画面を離れても構いません。待てない調べ物は、通常の検索で済ませてください。

途中で止めたり、方向を変えたりできますか?

できます。調べ始める前に計画を直せるほか、調べている途中でも止めて、焦点や調べる元を変えられます。計画の段階で論点から外れた項目を削っておくと、途中で止める回数が減ります。

会社の資料を入れても大丈夫ですか?

Deep Researchの会話は、通常のChatGPTの会話と同じデータの扱いと設定に従います。会社の資料を入れるなら、会社で契約したプランを使い、学習や保存の設定を管理者と確かめてからにしてください。

検索で足りる調べ物と、どう使い分ければよいですか?

答えが1つの事実で済むなら検索、いくつもの情報を突き合わせて判断の材料を作るならDeep Researchです。迷ったら、結果で何を決めたいかを3章の型で書いてみて、論点が2つ以上になるならDeep Researchを使います。

さいごに

本記事では、ChatGPT Deep Researchの使い方を、始め方と調べる範囲の決め方から解説しました。頼む前に目的・論点・仮説を書き、始まる前の計画を論点で直すと、外れたレポートを待つ時間が減ります。

「AIに調べさせても、結局自分で調べ直している」という人は、競合の情報のように見つけにくい物は人が集め、AIには読んで比べる作業を任せる分担から試してください。

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