はじめに

Notion AIに議事録の整理を頼んだら途中で止まり、残りを手で片付けた経験はないでしょうか。社員が個人で払っているChatGPTと、会社のNotion AIの両方に料金がかかっている点が気になる管理者の方もいるはずです。

本記事では、2026年10月19日に作り直されたNotion AIのエージェントについて、24時間続く作業を任せる使い方と、ChatGPTの契約で払う条件をまとめます。11月2日から変わる料金の仕組みと、会社で使う前に決める3つも扱います。スマートエイトは、法人向けの生成AI研修とAIエージェントの開発を手がけています。

結論を先に書きます。長い作業は承認の設定を決めてから任せ、ChatGPTの契約は、GPTのモデルを自分で選んだ時だけ使われる前提で扱います。料金は、すでに使っている会社も11月2日から1人あたりのクレジット制に移るため、使い切った時の扱いを先に決めておきます。

本記事は2026年10月28日時点の公式情報をもとにしています。カスタムエージェントと、ChatGPTの契約で払う機能は、Notionのビジネスプランとエンタープライズプランが対象です。料金は税別です。

Notion AIエージェントは何が変わったか|10月19日の更新と24時間の作業

10月19日の更新で、Notionエージェントは自分専用のコンピューターとブラウザを持ち、1つの仕事に24時間取り組めるようになりました。途中で区切って頼み直していた長い作業も、最後まで任せられます。

Notionエージェントの10月19日の更新を示す図。1つの仕事に取り組める時間が5分から24時間に延び、自分専用のコンピューターで短いプログラムを動かし、ブラウザでWebサイトを開いて調べられるようになった。承認は、安全でないかもしれない操作の前だけ止まるエージェントにレビューを任せる設定が既定になった

Notionエージェントとカスタムエージェントは何が違うのか

Notion AIのエージェントには2種類あります。1つは、チャットで頼むと自分の代わりに動くNotionエージェントです。もう1つが、決めた時刻やNotionの中の変化をきっかけに、裏で自動で動く*カスタムエージェントになります。

Notionエージェントは1人ひとりが自分の仕事に使い、カスタムエージェントはチームの繰り返しの作業を引き受けます。カスタムエージェントを作れるのは、ビジネスプランかエンタープライズプランの会社です。

本記事では、営業会議の議事録から、案件のデータベースに次の打ち手と期日を書き込む仕事を例に進めます。会議のたびに人が手で写している作業で、どちらのエージェントにも任せられます。

24時間の作業で、何を任せられるようになるのか

更新の前のNotionエージェントは、1つの仕事に取り組める時間が5分まででした。5分を超える作業は、途中で区切って頼み直す必要がありました。

自分専用のコンピューターでは、エージェントが短いプログラムを書いて動かします。同じ操作を何百件も繰り返す部分をプログラムで回すと、AIが1件ずつ考えるより速く、安く済みます。

ブラウザを持ったことで、Webサイトを開いて調べる作業も任せられるようになりました。例えば、議事録に出てきた取引先のサイトを開き、最新のお知らせを案件の欄に書き添える、といった使い方です。

*カスタムエージェント:決めた時刻やNotionの中の変化をきっかけに、人が頼まなくても動くNotionのエージェント。チームで共有して使える。

長い作業はどう任せるか|承認の設定とカスタムエージェント

長く動く仕事ほど、途中のどの操作で人が確かめるかが仕上がりを左右します。任せる前に決めるのは、承認の設定と、カスタムエージェントに渡すページの範囲です。

Notionエージェントの承認の3つの設定を比べる図。常に確認するは、ページの作成や編集、メールやSlackの送信、Webサイトを開く前に毎回止まる。既定のエージェントにレビューを任せるは、ページの削除やメールとSlackの送信など、安全でないかもしれない操作の前だけ止まる。すべての承認をスキップは、確認せずに最後まで動く

承認の設定は、どれを選べばいいのか

Notionエージェントの承認の求め方は、3つから選べます。切り替えはチャットの上部で行い、ウェブとAndroidのアプリで選べます。

  • 常に確認する:ページの作成や編集、メールの送信やSlackへの投稿、Webサイトを開く前に、毎回止まります
  • エージェントにレビューを任せる:既定の設定です。ページの削除や一括の変更、メールやSlackの送信など、安全でないかもしれないとエージェントが判断した操作の前だけ止まります
  • すべての承認をスキップ:確認なしで最後まで動きます。取り消しにくい変更の前でも止まりません

議事録から案件のデータベースを更新する仕事なら、既定の「エージェントにレビューを任せる」で回せます。ふだんの書き込みは止まらずに進み、Slackで担当者に知らせる時や、多くの行をまとめて書き換える時に、エージェントが確認を求めることがあります。

どこで止まるかはエージェントが決めるため、人が止めたい場面と毎回そろうとは限りません。社外へメールを送るような取り消せない仕事は、「常に確認する」で回します。外に出る操作の手前で止める考え方は、長く動くAIを安全に自動化する3つの関門で詳しく扱っています。

カスタムエージェントに繰り返しの仕事を任せるには

カスタムエージェントは、動き出すきっかけを3種類から選べます。Slackをきっかけにするときは、Slackのワークスペースの管理者が、先にSlackをNotionにつないでおきます。

  • スケジュール:毎日・毎週・毎月・毎年から頻度を選び、時刻を決めます
  • Notionの中の変化:コメントが付いた、データベースにページが増えた、項目の値が変わった、*AIミーティングノートが終わった、などです
  • Slack:チャンネルへの投稿、絵文字のリアクション、エージェントへのメンションです

議事録から案件を更新する仕事なら、AIミーティングノートが終わった時をきっかけにすると、人が頼まなくても、会議が終わるたびに案件のデータベースが更新されます。

エージェントが使えるのは、設定の「ツールとアクセス」に加えたページとデータベースだけで、議事録からの更新なら案件のデータベースだけを加えれば足ります。承認の求め方も、2-1のNotionエージェントとは別に、カスタムエージェントごとに設定します。

チームで共有するときは、社員ごとに「フルアクセス」「編集権限」「閲覧可能とやり取り」の3段階から権限を選びます。フルアクセスの人は指示やきっかけ、アクセス、モデルまで設定でき、閲覧可能とやり取りの人はエージェントを動かして話しかけるところまでです。

*AIミーティングノート:Notionの会議の記録の機能。会議の内容を文字にして要約し、Notionのページに残す。

Notion AIの料金はどう変わるか|11月2日からのクレジットとAuto

Notion AIの料金は、プランの月額に、1人あたり毎月のクレジットが付く形に変わります。切り替わるのは、新しく契約した会社が10月19日、すでに使っている会社が11月2日です。

Notion AIは、どのプランで使えるのか

Notionエージェントを仕事で使うなら、ビジネスプラン以上が前提です。フリープランとプラスプランで使えるのは、Notion AIの体験版にとどまります。

プラン

1人あたりの月額

Notion AI

フリー

0円

体験版

プラス

年払い1,650円、月払い2,000円

体験版

ビジネス

年払い3,150円、月払い3,800円

Notionエージェント、AIミーティングノート

エンタープライズ

個別に見積もり

ビジネスの機能に加え、AIの提供元がデータを保持しない

表の金額は1人あたりなので、ビジネスプランを10人で使うと、年払いで月31,500円になります。Notion AIの利用分は、この月額に付くクレジットから払う形です。

スタンダードとセレクトのクレジットは、何が違うのか

ビジネスとエンタープライズでは、1人に毎月、スタンダードのクレジットが1,500、セレクトのクレジットが500付きます。2つは別々に数え、一部の作業は会社が買い足す*Notionクレジットから払います。

  • スタンダード:Notionがモデルを選ぶ作業に使います。*Autoで動くNotionエージェントや文章の作成、翻訳に加え、12月1日からはAIミーティングノートもここから減ります
  • セレクト:自分でモデルを選んだ時に使います。自分用に作ったカスタムエージェントも、既定では作った人のセレクトから減ります
  • Notionクレジット:AnthropicのFableやOpenAIのAstraのように、クレジットを多く使う一部のモデルを選んだ時と、会社の予算を付けたカスタムエージェントで使います。1,000クレジットあたり月10ドルです

スタンダードかセレクトを使い切ると、その種類の機能は翌月にクレジットが戻るまで止まります。管理者が「AIの上限に達した後にワークスペースがNotionクレジットを使用できるようにする」をオンにすれば、そのまま使い続けられます。この設定は、初めはオフになっています。

Autoに任せると、どれだけ安くなるのか

Autoは、頼んだ作業ごとに、質と速さと費用の釣り合いが取れるモデルを選ぶ仕組みです。モデルの選択、Notionエージェントのチャット、カスタムエージェントの設定のどれでも、初めからAutoになっています。

Notion自身の試験では、よくある20を超える作業で、AutoはAnthropicのOpus 5.5やAstraと同じ程度の結果を、平均で約9割安い費用で出しました。簡単な作業は軽いモデルへ、難しい作業は強いモデルへ振り分けるためです。

議事録からの案件の更新をチャットでNotionエージェントに頼むなら、Autoのままでスタンダードを使います。2-2のようにカスタムエージェントで回すと、Autoでも作った人のセレクトから減り、会社の予算を付ければNotionクレジットから払います。

チャットで頼む作業はAutoに任せ、モデルを選ぶのは結果を比べたい時だけにすると、少ないセレクトをカスタムエージェントに回せます。

*Auto:Notion AIのモデルの選び方の設定。作業の中身を読み、複数のAIの会社のモデルから、作業ごとに合うものを選ぶ。

*Notionクレジット:プランに付く毎月の分とは別に、会社が買い足すNotion AIの利用枠。共有のカスタムエージェントや、付いた分を超えた利用に使う。

ChatGPT契約で払う条件は何か|Plus・Pro・Goをつなぐ手順

個人でChatGPTを契約している社員は、その契約でNotionエージェントの利用分を払えます。10月13日の更新でPlusとProから始まり、10月19日にGoが加わりました。Notionは手数料を上乗せしないとしています。

自分のNotionエージェントでモデルを選んだときに、どこから払われるかの分かれ道を示す図。ChatGPTの契約に対応したGPTのモデルを選べばChatGPTの契約の利用枠から払われ、枠を使い切るとNotionクレジットへの切り替えを求められる。Autoならスタンダードのクレジット、GPT以外のモデルを選べばセレクトのクレジットから払われ、クレジットを多く使う一部のモデルはNotionクレジットから払われる

どの契約なら、ChatGPTで払えるのか

ChatGPTで払うには、次の4つが全部そろっている必要があります。

  • Notionのワークスペースが、ビジネスプランかエンタープライズプランであること
  • ChatGPTの契約が、Plus・Pro・Goのいずれかであること
  • 使うのが自分のNotionエージェントであること。カスタムエージェントでは使えません
  • モデルの選択で、ChatGPTの契約に対応したGPTのモデルを自分で選んでいること

4つ目を見落とすと、ChatGPTで払っているつもりで、Notionのクレジットが減っていきます。Autoのままの作業や、GPT以外のモデルを選んだ作業は、3章のクレジットから払われるためです。つなぐのはメンバー一人ひとりで、ワークスペースのゲストは使えません。

会社でAIの会社と結んだ契約を使う方法には、自社の鍵を持ち込む*BYOKもあります。こちらは今、エンタープライズの限られた会社で試されている段階です。

ChatGPTの利用枠を使い切ったら、どうなるのか

GPTのモデルで頼んだ分は、ChatGPTの契約の利用枠から引かれます。枠を使い切ると、NotionエージェントがNotionクレジットへの切り替えを求め、ChatGPTの枠が戻ると自動でChatGPTの契約に戻ります。

長い作業をGPTのモデルで任せるほど、ChatGPTの枠を多く使います。ChatGPTでふだんの仕事もしている人は、Notionでの長い作業をAutoに回すと、ChatGPT側の枠を残せます。

つなぐ手順と、外す手順はどうなっているのか

つなぐには、Notionの「設定」から「Notion AI」「使用状況」の順に開き、「接続済みサブスクリプション」のChatGPTの横にある「接続」を選びます。ChatGPTにサインインして接続を許可し、Notionに戻れば終わりです。

Notionエージェントのモデルの選択からも、「サブスクリプション」の下にある「ChatGPTプランを接続」でつなげます。

外すときは、同じ「使用状況」の画面で「ChatGPTプランを使用する」をオフにします。接続そのものを消すなら「接続を解除する」を選び、それ以降の利用はNotionのプランに戻ります。

*BYOK:Bring Your Own Keyの略。自社がAIの会社から受け取った鍵を持ち込み、その契約の料金でAIを使う方式。

会社で使う前に何を決めるか|個人の契約・承認・クレジットの上限

ここまでの機能には、社員が自分の判断で使い始められるものが多くあります。会社で使うなら、次の3つを先に決めてから社員に案内します。

社員の個人のChatGPT契約を、会社のNotionにつないでよいか

Plus・Pro・Goは個人向けの契約で、つなぐのも社員一人ひとりです。つなぐと、個人で払っている契約で会社の仕事の費用を払う形になります。認めるかどうかと、認めるなら費用をどう精算するかを決めます。

データの扱いは、ChatGPTで払っても、NotionとAIの提供元との契約がそのまま当てはまります。顧客のデータは学習に使われず、保持の期間はエンタープライズでは無し、ほかのプランでは30日です。Notionでのやり取りが、ChatGPTの履歴やメモリに残ることもありません。

誰がいつつないだかは、エンタープライズプランの組織オーナーが*監査ログで追えます。使った量までは監査ログに出ないため、量で管理したい場合はNotionクレジットに寄せる方が把握しやすくなります。個人契約のChatGPTが社内で先に広がる時の線引きは、ChatGPTの情報漏洩を防ぐ設定でまとめています。

承認の設定を、どこまで社員に任せるか

管理者は、設定から「すべての承認をスキップ」を選べないようにできます。会社で使うなら、まずこれをオフにし、社員が選べるのを「常に確認する」と「エージェントにレビューを任せる」の2つに絞るのがおすすめです。

カスタムエージェントは、エンタープライズなら作れる人を絞れます。作る人を決めたうえで、渡すページは仕事に要るデータベースだけにします。社外へ送る仕事は、カスタムエージェントには下書きのページを作るところまでを任せ、送るのは人が行います。

クレジットを使い切った時、どうするか

使い切った時に止めるか、Notionクレジットで続けるかを決めます。止めれば費用は増えませんが、会議のたびに動くカスタムエージェントも、作った人のセレクトが尽きた時点で止まります。続けるなら、1人あたりの上限と、共有のカスタムエージェントごとの上限を合わせて決めます。

使えるモデルを絞るときは、絞りすぎに気をつけます。Autoは会社が許したモデルの中から選ぶため、絞るほど選べる幅が狭まり、結果の質が下がることがあります。

どの仕事にクレジットを使うと元が取れるかは、生成AIの費用対効果を測る4つの問いを使うと、仕事ごとに比べられます。人ごと・機能ごと・エージェントごとの使用量を見て、費用の上限を決められる*AIコマンドセンターも、近く加わる予定です。

*監査ログ:ワークスペースの中で、誰がいつ何をしたかを記録する機能。Notionではエンタープライズプランの組織オーナーが使える。

*AIコマンドセンター:Notionが10月19日に予告した管理の画面。AIの使用量を人やエージェントごとに見て、費用の上限や使えるモデルを決められる。

さいごに

Notionエージェントは、10月19日の更新で1つの仕事に24時間取り組めるようになり、個人のChatGPTの契約で利用分を払えるようになりました。ChatGPTで払えるのは、ビジネスプラン以上のNotionで、自分のNotionエージェントにGPTのモデルを選んだ時だけです。

会社で使うなら、個人の契約をつなぐかどうか、承認の設定の範囲、クレジットを使い切った時の扱いの3つを、11月2日の切り替えまでに決めておくと、社員に案内しやすくなります。最初の1本は、議事録から案件のデータベースを更新するような、社内で完結する繰り返しの仕事から始めてください。

長い仕事をAIに任せるほど、どこで人が確かめるかの設計が仕上がりを決めます。スマートエイトの生成AI研修では、AIに任せる範囲と人が確かめる場所の決め方を、受講する方の実際の業務で演習します。

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