はじめに
Claudeのモデルの選択欄に、Sonnet 5.5やHaiku 5.5という名前が並び、どれで仕事を頼めばよいか迷ったことはないでしょうか。会社で使っていると、社員に「どのモデルを使えばいいのか」と聞かれて、答えに困る場面も出てきます。
本記事では、2026年9月から10月にかけて出たClaude Sonnet 5.5とHaiku 5.5について、Opus 5.5との違いと仕事ごとの使い分け、プランごとに選べるモデル、会社で切り替える前に確かめることを解説します。スマートエイトは法人向けの生成AI研修で、会社で契約したClaudeの使い方と設定を扱っています。
結論を先に書くと、迷ったらSonnet 5.5を既定にし、Sonnetで試してうまくいかなかった複雑な仕事だけOpus 5.5に上げ、短い仕事を数多く回す時はHaiku 5.5に下げます。無料のFreeプランで選べるのはSonnetとHaikuだけで、Opusは有料プランから選べます。
Free・Pro・Maxでは、10月29日に前の世代のHaiku 4.5が選択欄から外れ、Haiku 5.5に置き換わります。Enterpriseでは、社員が選べるモデルと、新しい会話を始めるモデルを、管理者が決められます。
本記事は2026年10月28日時点のAnthropicの公式の発表とヘルプをもとにしています。性能と速さの数字は、Anthropicが発表のページで公表した物です。
Claude Sonnet 5.5とHaiku 5.5で何が変わったか|3つのモデルが5.5にそろった
Anthropicは2026年9月22日にOpus 5.5、9月28日にSonnet 5.5、10月7日にHaiku 5.5を出しました。約2週間のうちに3つのモデルが新しくなり、Opus・Sonnet・Haikuの3つがすべて5.5の世代にそろいました。
最初に出たOpus 5.5は、慎重な判断と長い推論が要る仕事に向けたモデルです。7月に出たOpus 5で何が変わったかは、Claude Opus 5は何が変わった?差が出る仕事と変わらない仕事で解説しています。

Sonnet 5.5は、速く安くなった日常の標準
Sonnet 5.5は、範囲がはっきりした日常の仕事、プログラムの不具合の修正、文書・スライド・表計算の作成を得意とするモデルです。Anthropic自身の試験では、前のSonnet 5より30%以上速く文章を出し、同じ仕事に使うトークン*が少ないため、1つの仕事あたりの費用が最大で30%下がりました。
Anthropicが公表した比較では、44の職種の実務を模した試験で、Sonnet 5.5は1844点と、Opus 5.5の1846点より2点低いだけでした。この試験の点は、外部の評価会社が測った物です。一方でAnthropic自身も、長く慎重な判断が要り、答えの決まっていない仕事では、Opus 5.5のほうが明らかに強いとしています。
Haiku 5.5は、短い仕事を数多く回すモデル
Haiku 5.5は、要約・分類・データベースへの問い合わせのように、短くて数の多い仕事に向けたモデルです。Anthropicは、これまでで最も安く、最も速い小型のモデルと位置づけています。
速さが要る仕事にも向くため、Anthropicはお客様の問い合わせへのその場の対応や、ブラウザの操作を例に挙げています。逆に、何段階もの込み入ったプログラムづくりは、Sonnet 5.5とOpus 5.5のほうが向くとしています。
APIの料金は、Opusが2割下がり、Sonnetは据え置き
開発者がシステムから呼び出すAPI*の料金は、100万トークンあたり次のとおりです。Opus 5.5の単価はOpus 5より2割下がり、Sonnet 5.5はSonnet 5と同じ値段に据え置かれました。
モデル | 入力 | 出力 |
|---|---|---|
Opus 5.5 | 4ドル | 20ドル |
Sonnet 5.5 | 2ドル | 10ドル |
Haiku 5.5・10万トークンまで | 0.10ドル | 0.50ドル |
Haiku 5.5・10万トークン超 | 0.50ドル | 2.50ドル |
Anthropic自身の試験では、Opus 5.5に既定の設定で一般的な仕事をさせると、使うトークンも減るため、費用はOpus 5より40%下がりました。文章を出す速さも、Opus 5より30%以上上がっています。
Haiku 5.5は、1回に渡す文章が10万トークンを超えると単価が上がります。前のHaiku 4.5は入力1ドル・出力5ドルで、Anthropicは平均すると約75%安く動くと見積もっています。
*トークン:AIが文章を読み書きするときに数える単位。長い文章ほど多く数えられ、開発者向けの料金もこの数で決まる。 *API:社内のシステムやアプリから、プログラムを通してClaudeを呼び出す入口。使った分だけ料金がかかり、アプリの月額の契約とは別に払う。
Opus・Sonnet・Haikuの使い分け|迷ったらSonnetから、仕事の重さで上下させる
3つのモデルは、どれも会社の仕事に使えます。違いは得意な仕事の重さと、使用量の減り方で、Anthropicの手引きは迷ったらSonnetから始めるようにすすめています。

迷ったらSonnet 5.5を既定にする
Sonnetは、文章の作成、プログラムの修正、ある程度考える分析、何段階かに分かれた仕事まで、幅広くこなします。営業の担当者が新しい取引先に提案する場面なら、提案書の下書き、取引先へのメールの返信、打ち合わせのスライドづくりは、Sonnet 5.5に頼むのが基本です。
Claudeには5時間ごとに使える量の上限があり、有料プランには週ごとの上限もあります。重いモデルを選ぶほど早く上限に近づき、Sonnetの減り方はOpusより穏やかなので、1日中使う既定のモデルに向いています。
Opus 5.5に上げるのは、Sonnetで詰まった時
Opus 5.5に上げるのは、Sonnet 5.5で試してうまくいかなかった仕事や、何度も問い直しながら深く掘る調べ物です。営業の例なら、取引先の決算資料と業界の資料を突き合わせ、どこに提案の余地があるかを考える段階が当たります。
Opusは1回の答えでSonnetより多く使用量を使うため、最初からOpusで始めず、Sonnetで下書きを作ってから、詰めの検討だけOpus 5.5に替えます。
上げる価値があるかは、人がAIの答えを直している時間で測れます。例えばSonnetの答えを毎回30分直しているなら、Opusに替えて直す時間が減るかを1週間比べます。比べ方は、生成AIの費用対効果を測る4つの問いが参考になります。
Haiku 5.5に下げるのは、短く数の多い仕事
Haikuは、短い質問への答え、文章からの情報の抜き出し、簡単な要約や分類に向きます。営業の例なら、商談の議事録を3行にまとめる、問い合わせのメールを用件ごとに分ける、といった仕事です。
Haikuで足りるかは、中身を知っている資料で確かめます。自分で読んだ報告書の要約を、Haiku 5.5とSonnet 5.5に同じ頼み方で出させ、長さではなく抜けている点を比べます。自分が気にする点をHaikuの要約が拾えていれば、その仕事はHaikuに任せられます。
モデルを替える前に、選択欄の努力レベル*を下げる手もあります。アプリのSonnet 5.5は中くらいの努力レベルが既定で、低くすると答えが速くなり、使用量も減ります。
こうして決めた振り分けは、議事録の要約はHaiku、提案書はSonnetのように、部署ごとに1行で配ります。社員が選べるモデルや既定のモデルを管理者が決める設定はEnterpriseの組織向けで、ほかのプランでは社員がそれぞれ選ぶためです。
*努力レベル:モデルの選択欄で選べる、1回の答えにどれだけ考えを費やすかの設定。高いほど丁寧に答える代わりに、使用量が早く減る。
どのプランでどのモデルを選べるか|FreeはSonnetとHaiku、Opusは有料から
SonnetとHaikuは、Claudeのどのプランでも選べます。Opusを選べるのは、Pro・Max・Team*・Enterpriseの有料プランで、無料のFreeでは選べません。

Freeで選べるのは、SonnetとHaikuの2つ
無料のFreeで選べるのはSonnetとHaikuの2つで、Opusは選べません。会社でFreeのまま使っている社員は、Sonnetで詰まった仕事をOpusに上げる手が取れないことになります。有料プランの月額と、会社で選ぶプランの決め方は、Claudeの料金プランと会社での選び方にまとめています。
10月29日に、Free・Pro・MaxからHaiku 4.5が外れる
Anthropicは、2026年10月29日にFree・Pro・Maxの選択欄からHaiku 4.5を外し、Haiku 5.5に置き換えます。対象はチャットなどの選択欄で、デスクトップとスマートフォンのアプリも含みます。
Haiku 4.5で話していたチャットは消えず、10月29日以降に続けるとHaiku 5.5が答えます。Team・Enterpriseのプランと、プログラムを書く道具のClaude Code*、APIでは、Haiku 4.5を引き続き使えます。
Enterpriseは、管理者が選べるモデルを決める
Enterpriseでは、管理者が管理画面で、社員が使えるモデルと努力レベルの上限を決められます。会社全体と、部署などの役割ごとの2段で決め、Haikuだけは外せず、全員がいつでも使えます。
いま申し込めるEnterpriseは、席の料金に、使った分をAPIの単価で足す契約です。この契約では、どのモデルを既定にするかが、そのまま請求の額に響き、1-3の表のとおり、Opusの単価はSonnetの2倍です。
*Team:会社で契約するClaudeのプランで、2〜150名のチーム向け。Enterpriseは、管理の機能が多い大きな会社向けのプラン。 *Claude Code:Anthropicのプログラムを書くための道具。パソコンの中のファイルを読み書きしながら、指示した作業を続けて進める。
会社でモデルを切り替える前に確かめること|既定・依頼文・切り替わる場面
新しいモデルに替えるのは、選択欄で選び直すだけです。会社で使う場合は、その前に、新しい会話がどのモデルで始まるか、社内で決まった依頼文が新しいモデルでも同じように動くか、別のモデルに切り替わる場面があるかの3つを確かめておきます。

Enterpriseは、新しい会話を始めるモデルを決める
Enterpriseの管理者は、新しい会話を始める既定のモデルを、「Anthropicの推奨デフォルトを使用」と「特定のモデルを選択」から選べます。推奨に任せると新しいモデルが出た時に自動で移り、特定のモデルを選ぶと、管理者が替えるまで同じモデルのままです。
既定を決めても、社員が一度別のモデルを選ぶと、その社員の次の会話は最後に選んだモデルで始まります。全員の新しい会話を毎回既定のモデルで始めたい時は、同じ画面で試験提供中の「常にデフォルトモデルと努力レベルで開始する」をオンにします。
社内で決まった依頼文で試してから新しいモデルへ移したい会社は、特定のモデルに固定しておき、確かめた後に切り替えます。
社内で決まった依頼文は、新しいモデルで1回流して確かめる
営業の議事録の要約や提案書の下書きのように、社内で決まった頼み方を配っている仕事は、モデルを替えると答えの形が変わることがあります。Anthropicも、Opus 5.5とSonnet 5.5は前の世代より分かりやすく書くようになったことを、改善点に挙げています。
切り替える前に、前のモデルと新しいモデルに同じ依頼を1回ずつ流し、答えの形と抜けを比べます。2-3の要約の比べ方と同じやり方で足り、答えの形が変わった依頼だけ、頼み方を直してから配り直します。
セキュリティの調べ物では、別のモデルに切り替わることがある
Sonnet 5.5は、攻撃者が使う手口に近い依頼を見分ける仕組みを持っています。弱点を突く道具づくりや、外から攻撃して弱点を探すペネトレーションテスト*のような依頼は、前のSonnet 5に切り替えて答えることがあります。Opus 5.5でも、多くのセキュリティの作業は、Opus 5より前の世代のOpus 4.8が答えます。
切り替わった時は画面に知らせが出て、答えにも答えたモデルの名前が付きます。普段のプログラムの修正や、自社のソースコードの弱点を探す作業は、Sonnet 5.5のまま使えます。
情報システムの部署で検査にClaudeを使うなら、この切り替えを前提に手順を組みます。自動の切り替えは、各自の「設定」の「機能」にある「メッセージがフラグされたときにモデルを切り替える」でオフにでき、オフにすると、切り替えずに会話がいったん止まります。
*ペネトレーションテスト:外部の攻撃者と同じ手口で自社のシステムに入り込めるかを試し、守りの弱い所を見つける検査。
よくある質問|Claude Sonnet 5.5・Haiku 5.5の選び方
Sonnet・Haiku・Opusは何と読みますか?
Sonnetはソネット、Haikuはハイク、Opusはオーパスと読みます。どれも詩や作品を表す言葉で、小さいほうからHaiku・Sonnet・Opusの順に並びます。
Opusと、最上位のFableはどう違いますか?
Fable 5.1は、Anthropicのモデルで最も能力が高く、込み入った長い仕事を、途中で人に確かめる回数を減らして進めるためのモデルです。そのぶん答えに時間がかかり、使用量もいちばん多く減ります。選べるのは有料プランで、ProとTeamのスタンダード席では、使用クレジット*で使う形です。
Anthropicは、Opus 5.5が多くの仕事でFable 5.1と同じ水準だとしています。まずOpus 5.5で試し、それでも詰まる仕事だけFableに回せば、使用量を抑えられます。
会話の途中でモデルを変えると、前の内容は引き継がれますか?
引き継がれます。送信ボタンの横にあるモデル名を押して選び直すと、それまでのやり取りは残ったまま、次の答えから新しいモデルが答えます。一覧に無いモデルは「その他のモデル」を開くと出てきます。
Enterpriseで、選べるはずのモデルが一覧に無い時は、管理者がその社員の役割に合わせて外している可能性があります。社内の情報システムの担当者に確かめてください。
*使用クレジット:プランの上限を超えた分などを、APIと同じ単価で払って使う仕組み。有料プランで、この設定をオンにした時に使える。
さいごに
本記事では、2026年9月から10月に出たClaude Sonnet 5.5とHaiku 5.5について、Opus 5.5との使い分け、プランごとに選べるモデル、会社で切り替える前に確かめることを解説しました。迷ったらSonnet 5.5を既定にし、Sonnetで詰まった複雑な仕事はOpus 5.5、短く数の多い仕事はHaiku 5.5に振り分けます。
次の一歩は、社内でよく頼む仕事を1つ選び、HaikuとSonnetに同じ頼み方で出させて、答えの抜けを比べることです。結果を部署の使い分けとして1行にまとめておくと、社員がモデル選びで迷わなくなります。
どの仕事をAIに任せ、結果をどう確かめるかは、スマートエイトの生成AI研修でも、受講する方の実際の業務を題材に扱っています。
※生成AI研修資料/導入事例も無料ダウンロードいただけます。




